私は地域の朗読グループに入っていて、子どもたちに読みきかせをしてます。そこで最近であった絵本に、『おとうとは青がすき』というナイジェリアの作者の作品がありました。その内容は、アフリカの少年にその姉が様々な色の名前を教える、というものですが、父親が彼らにオクウェというゲームを教える場面がありました。木の板に14個のくぼみが作ってあり、そこに入れた種を動かして遊ぶ、と書いてあります。このゲームで子どもたちは数の勉強をすることができる、とも書いてありましたが、日本では見たことが無かったのでどんなゲームなのかわかりませんでした。
5月にESEAP 2024参加のためマレーシアへ行ったとき、皆でサバ・アート・ギャラリーを訪問しました。丁度マレーシアと中国の友好記念展示をやっていたので、両国の美術作品を鑑賞することができました。ギャラリーを出たところに椅子とテーブルがあり、不思議な形をした長い木製の物が置いてあります。あ、絵本で見たあのゲームだ!と思い当たりました。そこで同行していたマレーシアとインドネシアのウィキメディアンに、遊び方を教えてもらいました。
ゲームの名前は「congka」(チョンカ)というそうで、中国語では「馬來播棋」と書くらしいです。遊び方は2人で向き合って座り、間にボードを置きます。ボードに掘られた穴に玉を10個くらい同じ数だけ入れておきます。ジャンケンで順番を決め、勝った方が端の穴の玉を全部手に取り、次の穴へひとつずつ入れていきます。入れ方は地域によっていろいろルールがあるようで、結局玉が無くなった方が負けです。細かいところはよくわかりませんでしたが、なるほどこういう遊びがこの地域では一般的なのだとわかりました。ウィキメディアンたちは皆、小さいころこのゲームでよく遊んだと言っていました。
帰国してから調べると、東南アジアに広く伝わっている「マンカラ」というゲームの一種だとわかってきました。マレーシアのあたりでは「チョンカ」と呼ばれ、フィリピンでは「スンカ」と呼ばれるらしいです。アフリカでは「オワリ」という呼び方が知られ、「オクウェ」というのはナイジェリアの公用語イボ語だというのもわかり、ウィキペディアとウィキデータをいったりきたりして色々なことがわかってきました。玉は地域によって小石だったり豆だったり種だったりビーズだったりするようで、そうしたことを知るのもなかなか楽しい経験でした。
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