ウィキメディア運動は協働作業の上に成り立っていますので、他の人たちと一緒に働いたり、その人たちを支援したり、支援することから何かを学ぶことが好きな人たちにとって、ウィキメディアは自然な場所です。本日私たちウィキセレブレイト(ウィキ祝い)はそういう人物として、エルサルバドルのエリーさんをお祝いします。彼女は情熱的なウィキペディアトレーナーで、イベントの主催者であり、他の人の成長を見るのを喜びと感じる人なのです。
貢献者になった多くの人たちと同様、エリーもアウトリーチ活動を通してウィキメディア運動に目覚めました。2019年にエリーは、エルサルバドルのスペイン文化センターで開催されたアート+フェミニズムのワークショップに参加しました。このイベントは、エルサルバドルの著名な女性に関するスペイン語版ウィキペディアの記事を充実させるのが目的で、エリーはウィキメディアの世界に初めて足を踏み入れ、自分自身の利用者ページを作り、出典を探し、他の参加者と議論し、そして(最も大切な)ウィキペディアに新しい記事を書いたのです。プロフェッショナルのジャーナリストで記者である彼女にとって、情報を共有し物語を語ることに焦点を当てたこのウィキ世界の発見は、最初の瞬間から魅力的でした。彼女は編集を始め、おかげでスペイン語版ウィキメディアには、水泳のオーロラ・シャモロやマラソンのヴァネッサ・ヴェイガといった、女性アスリートの記事ができたのです。彼女はウィキメディア・コモンズにも参加し、エルサルバドルの民族芸術博物館の収蔵品をアップロードし、ウィキデータにも加えました。
編集者になってすぐ、エリーはウィキメディアコミュニティに深く関わり始めました。2021年に、スペイン語版ウィキペディアのエルサルバドルに関する記事を充実させていた2人のウィキメディアン、カルラとクリスチーナが、新しいウィキメディア団体を作るのを手伝ってほしいとエリーを誘いました。この団体は国内のウィキメディアプロジェクトの推進を支援するだけでなく、オンライン百科事典にエルサルバドルの記事を増やすのを支援していました。中米諸国の驚くべき豊かな文化、魅力的な歴史、美味しい食べ物(ププサの記事を見てください!)について、世界に語ることはたくさんあり、エルサルバドルのウィキメディアンは皆、ウィキペディアにはエルサルバドル人の伝記記事がまだまだ少ないのを知っています。エリーは団体に参加することを勧められ、チームワークのおかげで2021年5月(スペイン語版ウィキペディア20周年の日)に、ウィキメディア・エルサルバドル協会が発足したのです。その時からチームはウィキペディアに関するワークショップを、文化センター、博物館、社会学研究所で開催し、図書館司書、研究者、大学生、一般の人々を対象にプラットフォームの仕組みについてトレーニングを行ってきました。彼らはエルサルバドル・オリンピック委員会、ラテンアメリカ社会科学評議会、エルサルバドル・スペイン文化センターと連携しています。
「おそらくこれは長期戦になるでしょうが、しかしエルサルバドルのデジタルギャップはまだまだ課題です。私はウィキメディアプロジェクトが、学術情報と科学の普及に関する空間となり、エルサルバドルとラテンアメリカ地域に関する知識を増やす道具になるのを望んでいます」と、今後について聞かれた彼女は語りました。エリーはまた、協働作業と他の人たちを支援する事に大きな喜びを感じています。「私は編集する事だけでなく、他の人たちに編集方法を教えたり、プラットフォームや自由な知識を充実させるためのプロジェクトについて知るのがとても幸せなのです。一番嬉しい瞬間は、新しい記事を作ったり、ワークショップで私が教えた人が最初の記事を書いたり、さらに他の人に対してプロジェクトについて教えるよう勧められる時です」と彼女は語っている。
残念ながら、運動への新規参加者にとって全てがうまくいっているわけではなく、編集作業は常に課題だとエリーは言っています。「この国の重要な人物やトピックが適切でないとして、記事が警告なしに削除されるのは、地域社会の歴史や事柄について人々がよく知らないことによるものです」とエリーは困難について語り、「しかしいつも前向きに考えるのが大切で、これらの困難さを、学び続け知識を公開していく動機として捉えるのです」と加えました。
彼女が他のウィキメディアンに対し大事な事として伝えている一つが、初心を忘れない、ということです。「編集者として長い経験があったとしても、新人だったころを忘れないようにしましょう。新しい編集者に対し、礼儀正しく敬意をもって教えましょう」と彼女は言います。
それとは別に、彼女はウィキメディア運動のための3つの大きな課題を挙げています。それは、連携の精神をいかに失わないか、(私たちは)、プロジェクトの主目的をいかに忘れないか、そして独自の定義と知識を持つ新しい世代と技術にいかに適応していくか、ということです。
エリーは世界がもっとウィキペディアについて知ってほしいと考え、特に(彼女自身の言葉を借りれば)「ウィキペディアはデジタルツールを使ったプロジェクトで、人類の発展と、情報、知識そして教育に対する普遍的なアクセスに貢献しています。ウィキペディアはあなたがコミュニティの中で育ち、学ぶことができる空間で、それは同じ目標(自由な知識)に向かい、言語の障壁や境界が無く、誰でもボランティアで参加するウィキメディアだからです」。
このすばらしいコミュニティの一員であってくれてありがとう、エリー。今日はウィキメディア運動に対するあなたの献身を讃えます。
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