安全で活動しやすい日本語版ウィキのために

日本語版ウィキ利用者グループをつくりたいのですが

「日本語版ウィキ利用者グループ」をつくろう、助成金を得て顧問弁護士を依頼しよう、将来は非営利団体にしようという企画を考えています。
日本語版には国別協会も提携団体もありません。全員がボランティアです。日本語版は2001年5月に発足したそうです。記事「ウィキペディア日本語版」(日本語版ウィキペディア)

それから20年以上のあいだを、インフラ以外の財団の助けをほとんど借りることなくやってきた初期創立者や管理者の方々には頭が下がるばかりです。

英語もどきだらけの日本語のなかで

私は2021年(令和3年)7月に参加しました。
私が実現を望んでいる遠い変化は、ますます英語中心になる世界で、いかにして日本語を残していくかということです。日本語は、アジアの他の言語と同様、インドヨーロッパ語とはかけ離れています。
他の言語ももちろんそうですが、日本語とそれによって生まれた概念、古い記録、歴史や文化の記録、感情の記録、文学や音楽、感受性や思考法はまた、世界の文明の成果のひとつです。同時に日本人と日本語話者のために、考えを伝達し、記録する手段としての母語の大切さはいうまでもありません。

思考するためには漠然とした考えを言語化する能力が必要です。しかし、あまりにも英語の必要性が増え、英語の概念の翻訳化が追いついていません。単語のレベルで似た言葉はあっても、もちろん、まったく同じ概念ではありません。”resource”という言葉は「資源」と訳され、私は地面に埋まった石油とか天然ガスとかのことだと思っていました。しかしどうももっと多義的な言葉らしいですね。単語レベルでこれほど違うのです。
そのため、正確な意味がわからない英単語が、直接日本語の文字で表記され、大量に使われています。皆忙しく、文化も状況も加速しています。やむを得ないのはわかります。
とはいえ、書き手は、文章には「意味がある」「他人に伝えるためのものだ」と理解しているのか、不安になるほどです。
かつては大量の読書によって日本語の能力を磨きました。
現在ではインターネットの読みもののほうが身近な存在ではないでしょうか。

インターネットで何かを調べるとき、まず出てくるのはウィキペディアの記事です。私もずいぶんお世話になりました。ですから、日本語版ウィキペディアの記事を色々な意味で良くしていくことは、私の目的に叶うと考えています。

ウィキペディアで、ではどうする?

厳格で、ちょっと雰囲気が硬い日本語版……。

ウィキペたんは2000年代に活躍していた、日本発の非公式ウィキペディアマスコットです。

今の日本語版は、ウィキペたんにはちょっと刺々しく感じられます。

私たちには勤勉で有能なベテランの管理者がおよそ40人いますが、約6000人の活動中の利用者に対してはまったく不足しているといえます。
日本語版にはユニバーサル行動規範(UCoC)以上の、厳格なルールや方針があります。エチケットの大切さや個人攻撃をしないといった方針は厳重に守られています。質問や話し合いには、「井戸端」のほかに、「利用案内」や「調べもの相談所」があります。
ですが、エチケットを重視するあまり、やたらに難しい言葉が使われ、せっかくの「利用案内」も、年少者やコミュニケーションが苦手な人には気軽に質問しづらい場になっているように思います。(日本語には複雑な敬語体系があり、使いこなすのはかなり難しいです。こういう私も自信がありません。
首相官邸のホームページでさえ、間違った敬語が使用されています。年少の参加者の敬語はさらにめちゃくちゃです)

年少の参加者のおかしな敬語は思わず注意したくなります。ですが、私は年少者が萎縮してしまうほうが問題だと思います。私の遠い目標は日本語の保護ですが、そのためにはまず、日本語版ウィキプロジェクト群で、参加者が活動しやすくなければなりません。

企画をやってみたいのですが……

個人的には、いつか、コンテンツの地理的な格差に取り組みたいと考えています。私はロシアや北東アジア、シベリアに興味があります。その地域のコンテンツが少ないと聞きました。私はポータル・北東アジアやシベリアを作って、現地の自然や動植物、地理、歴史まで扱うことを夢見ました。「ロシア史学者の憧れの××先生に公演を頼めるかもしれない!」などと考えました。しかし、××先生に連絡を取るとき、「私は一体どう名乗れば良いのか」という疑問につきあたりました。現在の私は、「自称ウィキペディアン」のただの個人です。「ウィキペディアのブランド」を騙った詐欺と思われるかもしれません。
私は何度か個人の立場で、国立大学に対して、発行している論文集が買えないか問い合わせたことがあります。まったく無視されました。ウィキペディアの「日本語版利用者グループ」でも無視されるかもしれませんが、個人よりはましでしょう。
たとえば、外部の人たちとエディタソンを行おうとするウィキペディアンはどうしているのでしょうか?
同じ悩みを持っている参加者もいるのではないでしょうか。

私は「日本語版にも何らかの団体があったほうが良い」と考えるようになりました。WMF に公認してもらい、将来は日本国東京都の非営利法人として公認してもらうのです。ドメインを取って公式サイトを作ります。対外活動を行いたい希望者には、ドメインつきのメールアドレスを発行して、名刺や会員証をお送りします。多少は活動しやすくなるのではないでしょうか。

日本語版ウィキ利用者グループ(仮名)が必要なもうひとつの理由

コミュニティの人々が創造性を発揮して自由に活動するためには、安全が必要です。 たとえばウィキペディアが存在感を増すなか、著作権やプライバシーといった分野で法的な問題が起こる可能性は高いといえます。最近、日本語ウィキペディアの井戸端でも著作権がらみの問題を何度か見かけました。幸い大ごとには至りませんでしたが、今後何が起きるかわかりません。 日本では訴訟や弁護士と関わることはそれほど一般的ではありません。これに個人で立ち向かわねばならないのは金銭的にも精神的にも酷だと言えます。 安全な環境は、まず危険への対応から始まると考えます。 私が特に実現したいのは、著作権に詳しく、質問しやすい顧問弁護士を雇うことです。これも個人では難しく、何らかの団体が必要である理由です。

2種類の安全

安全には、裁判や法律が絡むような犯罪行為に対する安全と、心理的な安全があります。たとえば最初に書いたように、「井戸端で萎縮して質問できない」といったことも「安全ではないこと」のひとつです。
「心理的な安全」の領域は難題です。どなたか、心理学などに詳しい方を巻き込んだ取り組みをしていただけないでしょうか。最後に、Diff を読んでいる日本語利用者の方は、よろしければ「日本語版利用者グループ」(仮名)をお読みのうえ、ノートページや賛同者ページに、参加または意見をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

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