Diff の活用例 #1

この記事では、ウィキメディアコミュニティのブログ Diff の記事を活用した事例をいくつか紹介します。

参考資料として活用される

Diff の記事は、参考資料として活用されることがあります。

例えば、大宅壮一文庫職員の鴨志田浩さんは、三田図書館・情報学会第190回月例会にて、大宅壮一文庫で開催されたウィキペディア編集イベント WikipediaOYA を紹介した際、下記の Diff 記事3本を参考資料として活用しています。

第1回 WikipediaOYA のレポート記事。
第2回 WikipediaOYA のレポート記事
大宅壮一文庫の活用マニュアル。

なお、この発表の模様は、以下の Diff 記事でまとめられています。

ウィキペディアの編集マニュアルとして活用される

Diff の記事が、ウィキペディアの編集マニュアルとして活用されることもあります。

例えば、普段は舞台芸術に関する記事を編集しているウィキペディアンの Kinstone さんは、2023年2月に [[ウェディングケーキ]] という、いつもとは異なる分野の記事を編集し、それをツイートしました。その際、「馴染みのない事物についてのウィキペディア記事を堂々と作成する方法」という Diff 記事について「よく知らない分野について記事を書くノウハウは、以下の記事に大変わかりやすくまとまっている」と紹介しています。

ウィキペディアンの Kinstone さんのツイート。ウェブアーカイブはこちら

また、Kinstone さんは自身の経験から、「(よく知らない分野についての記事を書く場合)”集合”より”要素”に近い題材を選んだ方がよい」「この世に一つしかない事物(人物・山・絵画)の方が、この世にたくさんあるもの(ウェディングケーキ、能面)よりも書きやすい。 ウェディングケーキのような、帰納的にしか定義できないものについて門外漢が書こうとすると、必要な情報が網羅できているか判断しづらく難しい」「食べ物系の記事は、親しみやすそうでいて案外難易度が高いのかもしれない」といった補足をしています。

新たなコンテンツが誕生するきっかけとなる

Diff の記事をきっかけとして、新たなコンテンツが誕生することもあります。

例えば、「【対談】ウィキペディアを編集する芸術愛好家たち」という Diff 記事を読んだウィキペディアンの遡雨祈胡さんは、「自分の記事の書き方について振り返ろう」と思い、[[利用者:遡雨祈胡/記事の書き方]] というマニュアルを作成しました。これは大変素晴らしいマニュアルで、参考資料の集め方や、ウィキペディアの編集時に注意することが詳しくまとめられています。ぜひご覧ください。

なお、遡雨祈胡さんが参照した Diff 記事「【対談】ウィキペディアを編集する芸術愛好家たち」では、ウィキペディアンの Swanee さん、Kinstone さん、そして私 Eugene Ormandy が、それぞれの編集分野やモチベーションについて話しています。こちらも併せてどうぞ。

他にも、「2023年1月のウィキペディアを振り返る」という Diff 記事を読んだウィキペディアンの Wadakuramon さんは、自身が運営する「『70歳のウィキペディアン』のブログ」で、同様の連載「Wikipedia執筆記事の記録:2023年1月」を開始しました。こちらも大変素晴らしい内容で、ウィキペディアンがどのような思い・きっかけで記事を編集しているかを知ることができる、貴重な資料です。

Wadakuramon さんの2023年1月振り返り記事。ウェブアーカイブはこちら
Wadakuramon さんの2023年2月振り返り記事。ウェブアーカイブはこちら
Wadakuramon さんの2023年3月振り返り記事。ウェブアーカイブはこちら

なお、Wadakuramon さんが参照した「2023年1月のウィキペディアを振り返る」という Diff 記事では、ウィキペディアンの Takenari Higuchi さんと私が、同月のウィキペディアの動向について対談をしています。ウィキペディアに関するニュースや編集した記事、気になった記事などについて話していますので、こちらもよければ是非。

まとめ

「ウィキペディアに関する言論や実践が少なすぎる」という危機感から、私は Diff の記事を執筆しています。そのため、Diff をきっかけとして、これだけ色々な動きが生まれたことを大変嬉しく思います。

本稿のタイトルを「Diff の活用例 #1」としたのは、「#2 や #3 も執筆したい(今後も Diff を活用した事例がたくさん誕生してほしい)」という思いからです。これからも皆様に活用していただけるような Diff 記事を執筆できるよう精進します。