イベントレポート2024 / №13 ウィキペディアタウン@北杜

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山梨県北杜市は、人口約4万3千人の自治体に8館の公共図書館がある地方都市です。もともと8つの町が並び立っていたこの地域が町村合併して広大な1つの市になったのは、約20年前のことでした。8つの旧町にそれぞれ1つずつ存在した公共図書館は、合併後もそのまま新市に引き継がれ、この図書館を1年に1館ずつ巡るウィキペディアタウンがスタートしたのは2019年10月のこと。

なかなか安定的にウィキペディアタウンを継続開催できる地域は日本でも数少ないなか、2024年10月12日に旧須玉町のすたま森の図書館で6館目、6年目の開催となった「ウィキペディアタウン@北杜」を紹介します。

edit Tango参加イベント2024 / №13 山梨県北杜市 ウィキペディアタウン@北杜 須玉町編

日本には「世間は広いようで狭い」という諺があります。北杜市のウィキペディアタウンを主導する図書館員は、私がウィキペディア編集に親しむ以前からの知人でした。そして、講師を務めるWikipedia日本語版管理者のひとり・user:さかおり氏は、私の地元で最初に開催したウィキペディアタウンに多大なサポートをいただいた大恩人。そんな御縁に導かれるように、私が八ヶ岳の麓にある山梨県北杜市のウィキペディアタウンに参加するようになったのは、旧小淵沢町で開催された2020年の第2回が最初でした。

それ以来、特に他で優先しなければならない用事が入らないかぎり、毎回参加し、執筆者兼ファシリテーターとして地元のみなさんの編集活動をサポートしています。しかし、今年は少し様子が異なりました。私たちedit Tangoメンバーのほかにも、関東圏からサポートに来てくれたウィキペディアンや、県内のウィキペディアンが複数名参加してくれていたのです。

参加していたウィキペディアンのなかには、昨年10月に私が主催した編集相談会「ウィキペディア展覧会」のウェビナー『#1Lib1Refをやってみよう』」(全4回)に継続的に参加してWikipedia編集について学び、アカウントを取得して地元の小学校の項目を立項した、そして、その後も継続的に編集活動を続けていたN氏もいました(このイベントについてはこちらのレポートで紹介しています)。ウィキペディアのアウトリーチ活動は、砂漠に種を蒔いて果実を育てるかのごとき実りの少ない奮闘ではないかと思う時もありますが、草の根の活動が実を結んだ実例に出会える喜びはなにものにも勝るものがあります。

(編集会場の「すたま森の図書館」 Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で)

「ウィキペディアタウン@北杜 須玉町編」では、1つの寺院と2つの神社が題材となり、そのすべてをまちあるきして見学し、ウィキメディア・コモンズにアップロードする写真素材などを集めました。その後、Wikipedia編集会場である北杜市のすたま森の図書館に戻り、さかおり氏のWikipediaガイダンスのもと、参加者がそれぞれ興味のある題材を選んで、チームワークでWikipedia記事を作成します。

私と、私と共にedit Tangoから参加したuser:Asturio Cantabrio氏は一応事前に主催者からサポートスタッフとして相談を受けての参加であったので、私たちはまずは初心者の皆さんに希望の題材を選んでもらい、フォローの必要な題材の編集班に入るつもりでしたが、なぜかこの時は、他の編集者・参加者が選んだ題材が2つに偏り、1記事が残ってしまったのです。ウィキペディアタウンでは、見学先にも目的を伝えて文献や画像資料の提供を受けていたり、会場図書館でも職員があらかじめ資料調査を行い、丁寧な準備をしてくれているので、選ばれなかった題材を無かったことにしてしまうのは、準備をしてくださった関係の皆様に申し訳ない気がしてしまいます。そこで、今回は私たちのほかにも複数名のウィキペディアンがおり、参加者が集中した2チームのアシストの手も十分に足りていることから、私たちは一編集者として残る1記事「三輪神社」を立項することにしました。

近年は講師やファシリテーター、企画者としてウィキペディアタウン運営に関わることが多く、純粋に文献を読みふけり、執筆に没頭できる時間はとても久しぶりのことで、ものすごく楽しかったです! Wikipediaは記事を執筆する人だけでなく、誤字脱字を修正する人、コモンズやカテゴリを充実させる人、管理する人、方針やガイドラインを整備する人、システムを構築したり整えたりする人などなど、それぞれに様々なところにモチベーションを見出して活動する人で成り立っていますが、私はやっぱり記事を書くのが好きなタイプだなぁと改めて思いました。

(まちあるきの様子 いずれも漱石の猫, CC BY-SA 4.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で)

〈ウィキペディアタウン@北杜 vol.6 須玉町編 まとめ〉

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