国立国会図書館が運営する「リサーチ・ナビ」におけるウィキペディア

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稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。本稿では、国立国会図書館が運営する調べ方案内サイト「リサーチ・ナビ」に登場するウィキペディアについて紹介します。

Uraniwa, CC0

検索結果

2024年12月初頭にリサーチ・ナビ (https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi) で「Wikipedia」と検索したところ、7件がヒット。うち2つは実質的に同じページだったので、以下6件を紹介します。なお、紹介する順番は筆者 Eugene Ormandy が調整しています。

1件目

1件目は「言語・辞書 : 中国・香港・台湾 / Language : China & Hong Kong &Taiwan」というエントリ。「百科事典」という章に「维基百科 / Wikipedia(中)」という記述があります。要は中国語版のウィキペディアですね。ちなみに、「百科事典」の章では他にも「百度百科(中)」などが紹介されていました。

2件目

2件目は「中国の現代の人物を調べる」というエントリ。第3章「中国語の情報源」の第3節「インターネット情報」に「維基百科 中国語版のWikipedia。簡体字と繁体字が混在する。全項目数は約76万件である」という記述があります。1件目と同様、中国語版ウィキペディアが紹介されていますね。

3件目

3件目は「人文リンク集」というエントリ。人文科学およびジャンル横断的な調べもの(いわゆる総記分野)に役立つデータベースへのリンク集です。「学術一般・百科事典・博物館」の章に「Wikipedia」という記述がありました。ちなみにリンク先は日本語版ウィキペディアです。

4件目

4件目は「外国の図書館のダイレクトリー(名簿)」というエントリ。第1章「全般」の第2節「ウェブサイト」に「List of national and state libraries(Wikipedia)」という記述がありました。世界各国の図書館をまとめたページとして、英語版ウィキペディアの一覧記事 “List of national and state libraries” が紹介されています。

5件目

5件目は「言語」というエントリ。第1章「日本語」の第2節「用例検索」に「用例.jp (Gödel Inc.)青空文庫+Wikipedia」という記述がありました。青空文庫と(日本語版)ウィキペディアを用いた(と思われる)用例検索サイト「用例.jp」が紹介されています。

実際のサイト (https://yourei.jp) にアクセスしてみたところ、ウィキペディアを参照している旨の記述は見当たりませんでしたが、いくつか用例を検索してみたところ、日本語版ウィキペディアから引用したと思われる記述がありましたので以下に一例を示します。

6件目

6件目は「リサーチ・ナビ 利用規約」というエントリ。「更新履歴」という章に以下の記述がありました。

  • 令和6年1月5日 リサーチ・ナビのシステム変更に伴い、対象範囲及び出典記載例等で例示しているURLを変更、外部データベース等とのAPI連携等により取得しているコンテンツの例からwikipediaを削除、別の利用ルールを適用するコンテンツから「NDLイメージバンク」を削除し国立国会図書館サーチを追加」という記述がありました。

補足

ちなみに、カタカナの「ウィキペディア」で検索したところ、1件もヒットしませんでした。また、「Wikidata」でもヒットせず。しかし「Wikimedia」で検索したところ、「外国文学」というエントリがヒット。「(外国文学の)引用」という章にて「Wikiquote (wikimedia foundation)」が紹介されていました。

感想

思いのほかウィキペディアが取り上げられていて嬉しかったです。また、特定のウィキペディア記事が紹介されているのも驚きでした。今後、ウィキペディアおよびウィキメディア・プロジェクトをテーマとしたリサーチ・ナビの記事が公開されるといいなあと思います。

国立国会図書館 (Peacearth, CC BY-SA 4.0)

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