NDL典拠データを修正し、Wikidataを整備した話

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Wikidataのロゴに見える広尾のガードレール、2025年3月5日
Narumi.SBT, CC BY-SA 4.0)

2025年3月2日開催のWikiGap in Kanagawa 2025では、オペラ歌手「白石敬子」のウィキペディア記事を作成しました。「白石敬子」のヨミは「しらいし ひろこ」だと、どの資料にも書いてありますので、記事の中にもそのように書きました。その時にNDL(国立国会図書館)典拠を検索したのですが、なぜかみつかりませんでした。

翌3月3日になってから「白石敬子」のNDL典拠を改めて検索したところ、同じ表記で「シライシ, ケイコ」となっているデータを発見。生没年はありませんでしたが、出典が『ウィーン音楽地図1』となっています。この本は白石が夫の白石隆生と一緒に翻訳したものですので、同一人物であることがわかります。そこで、NDLに修正依頼を出すことにしました。

国立国会図書館、2007年6月2日(663highland, CC BY-SA 3.0 )

3月4日にNDLウェブサイトの最下段にある「お問い合わせ」をクリックし、「お問い合わせフォーム」へ行きました。「お問い合わせの内容」は2番目の「当館の目録(書誌データまたは典拠データ)の訂正に関すること」ですので、その〇にチェックをいれました。そしてその下の内容記入欄に、まず白石の典拠URLを記入し、ヨミが「ヒロコ」であること、また生没年が1945年~2018年であることも書き添えました。出典としては、ウィキペディアの記事を書く際に使ったソースをいくつか挙げておきました。その後、自分の連絡先情報などを入力して送信しました。

すると翌3月5日にはNDL国内資料課からEメールが届き、「白石敬子氏の典拠データについて、確認した結果、読みと生没年が当館所蔵資料から確認できましたので、読みを訂正し、生没年を追加しました」と連絡がありました。早速「白石敬子」の典拠URLをクリックしてみると、確かに修正されています。そして「編集履歴」には「ケイコ→ヒロコ (20250304) ; 生没年追加 (20250304)」と記入されていました。そこでウィキデータの「白石敬子」を開き、「識別子」を追加して「国立国会図書館典拠ID」というプロパティを入力、その値にIDの「00163649」を入力し、公開ボタンを押しました。これは即時に「白石敬子」のウィキペディア記事の下方にある「典拠管理データベース」欄に反映されました。

私は長年図書館の書誌データはじめ、各種データベースのデータを作成してきましたので、どんなに気を付けても間違いが発生する事がよくわかります。大事なのは間違いを発見した時に、それを修正するプロセスがきちんと作られ運用されていることです。NDLではそれが見事に運用されていることを再確認できて嬉しかったです。

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