私たちは協力して活動してきました。どうして協力しないのでしょう?これはウィキマニア2014の時に、東アジアと南アジアからのウィキメディアンたちの何人かが気が付いたことでした。その当時、より大きなウィキメディア・アジア・オセアニア・プロジェクトは別にして、ESEAP(東アジア、東南アジア、大洋州)地域のコミュニティどおしは同じような問題を抱えていましたが、その連携は盛んではありませんでした。
協力することで前進できるのを知ったESEAPのウィキメディアンたちは、課題と成功の両方の経験をコミュニティで共有し、お互いに学びあい強力な関係を築くために、地域の連携に取り組み始めました。
10年以上が経過し、ミートアップとして始まったものは定期的な地域の会議に発展し、相互の理解が増進しました。そしてESEAPハブにつながったのです。祝福することはたくさんあり、今後も増えるでしょう。
より構造化された連携
ESEAPハブが現在の形に落ち着くまで、いくつかの実験が繰り返されました。連携が形作られていくと、より良い関係の基盤として、コミュニティ間の円滑な対話が常に求められてきます。初期のころは、相互によく知り合うようになるため、コミュニティが取り組んだミートアップはウィキマニアやウィキメディア・サミット(以前のウィキメディア会議)の中で行われました。
ミートアップは次第にオンライン空間へ移動し、年に1~2回のより大きい会議と比べてより良く頻繁なコミュニケーションが取れるようになりました。ESEAハブ(東アジア・東南アジア)が2015年にメタ・ウィキ上に設置され、お互いの活動やアイデアを共有し、連携機会をみつけられるようになりました。
2018年、この地域の協力は、インドネシアのバリ島での最初の地域会議で確固としたものになり、東アジア、東南アジア、そして太平洋地域の名前からESEAPと名付けられました。それ以来地域会議は毎年開催され、ESEAP会議(ESEAP地域ウィキメディアンの大会)とESEAPサミット(地域のウィキメディア・ムーブメントの将来を議論し形成する戦略会議)が年ごとに交互に行われています。
コミュニティにとって次の重要な節目は、ESEAPシドニー会議2022でした。そこでは地域ハブ創設に関する宣言文作成を委託された暫定ハブ委員会が設置されました。この宣言文には、ESEAPハブの戦略方向に沿ったミッションとビジョが示されています。
暫定ハブ委員会はその後、ESEAPハブ設立の基礎固め、役割と責任の定義、変革理論の発展、財政基盤の準備のために、ESEAP準備委員会に引き継がれました。
ESEAPハブの構築
ハブのアイデアは、2023年の運動戦略宣言「意思決定に公平さを確保」という勧告の結果さらに進化しました。ハブは、コミュニティが能力開発、知識の移転、そして連携について協働するために構想されました。
ムーブメントが成長するにつれ、ESEAPハブはより複雑な地域の課題に取り組んでいます。コミュニティは地域とより広いムーブメントへのアクセスと代表が限られるので、ハブは彼らの能力と代表性を増進できるよう支援に取り組みます。
数回のコミュニティとの協議に基づき、ハブは主要な課題をESEAPハブ変革理論に反映された5つの主要目標にまとめました。それは、
- 多様なコミュニティ言語とプロジェクトの関与を翻訳によって向上させる
- 言語、時間帯、文化や距離の違いを考慮したコミュニケーションの強化
- 知識、経験、そして資源の共有によるコミュニティの能力の強化
- 信頼できる、透明で公正な地域コミュニティの意思決定メカニズムの構築
- グローバルなウィキメディア・ムーブメントの中でESEAPの視点の存在を提唱する
この大きな目標の実現には、長期にわたる関与と献身的な資源が求められます。しかし旅は大胆な歩みを踏み出します。その大胆な歩みとは、初年度の試験ハブを立ち上げ、洞察を集め、経験から学ぶことです。
ESEAPハブの将来
ESEAPハブは、1年間の試験プロジェクトを始めるためにウィキメディア財団の助成金を得ることができ、大きな節目を祝いました。
「この助成金はESEAPハブにとって変革の節目になるでしょう – 目的に合ったトレーニングを可能にし、地域の連携を強化し、多様な声を増幅して、私たちのコミュニティを強化し知識へのアクセスを共有します」 – ESEAPハブ準備委員会
試験の間は、ESEAPコミュニティが優先事項と決定し明確に指示している次の二つの重要分野に焦点が置かれます。
- コミュニティの能力の強化と、
- ESEAPの主張(提唱)(Representation of ESEAP (Advocacy))
コミュニティを強化しその能力を高めるために、ESEAP全体を視野にいれたコミュニティスキルマッピング、要望に応じた特別訓練プログラムの開発、月ごとのオフィスアワーによるコミュニティの支援、初心者ハンドブックの出版など、ハブはいくつかの主要活動を計画しています。
より広いムーブメントでのESEAPの提言や代表性の課題について、ハブはESEAPメンバーのために世界レベルでの連携と機会を促進し、地域内のより大きな課題に対するESEAPの視点のマッピングを始めます。
この新しい取り組みを始めるために、5月にフィリピンのマニラでESEAP戦略サミット2025が開催され、コミュニティメンバーと連携団体の代表が集まり、交流し、地域の戦略課題について議論をします。
ESEAPハブが新しい段階に入るに伴い、連携を強化し、能力を築き、将来の取り組みを形作るためにやるべきことがたくさんあります。この旅には、未来のESEAPを構築するためにコミュニティが参加し連携するのが必要です。既に準備は万端で、次に何が起こるか楽しみです。どうぞご注目ください。

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