Lakka26インタビュー:2024年度JACET英語辞書研究会例会への登壇について

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稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。2025年3月15日に開催された「2024年度JACET英語辞書研究会例会」に登壇した、早稲田Wikipedianサークルおよび辞書尚友のメンバー Lakka26さんにオンラインインタビューを実施しました(インタビュー日は2025年4月7日)。

なお、Lakka26さん自身も「これからの辞書に求められるもの━再現性の問題を中心に━」というレポートを作成されています。こちらも併せてご覧ください。

早稲田Wikipedianサークルのロゴ。(Takenari Higuchi, CC0)

1 経緯

--発表お疲れ様でした。とても意義のある内容だったと思います。

ありがとうございます!

--発表当時、Lakka26さんは大学3年生ですよね。学会に登壇するのは大学院生や研究者というイメージがありますが、Lakka26さんはどのような経緯で登壇することになったのでしょうか。

私の友人で、一緒に学生サークル「辞書尚友」を立ち上げたふずくさんが、大学4年生の時にJACET英語辞書研究会で発表をしたんです。それを見て、私も学部生のうちに学会で辞書やウィキペディアの話をしたいなと思うようになりました。

実際に登壇する学会の候補はいくつかありましたが、過去に参加した際の雰囲気が良く、友人が発表したというご縁もあった JACETにしようと判断し、12月ごろに発表を申し込みました。

--それを実現する行動力が素晴らしいですね。発表の準備は大変だったかと思いますが、いかがですか。

発表直前まで資料を修正していました。とにかく話したいことが多かったので、内容のカットに追われました。「もうこれ以上は削れない!」と判断した後は、早口で喋る練習をしましたね。また、スライドとあわせて、内容メモも作っておきました。

2 発表

--初回の学会発表にもかかわらず、話したいことが沢山あるというのは本当に凄いですね。発表内容をレポートで確認しましたが、辞書の権威、再現性、タイムスタンプなど、Lakka26さんが普段から主張されていることが簡潔にまとまっていて、とても充実していると思います。

ありがとうございます。ご指摘のとおり、辞書の権威や再現性については『ENGLISH JOURNAL』に掲載されたインタビュー記事や、先日辞書尚友で作成した同人誌でも話しています。ちなみに、この同人誌は雑誌専門図書館の大宅壮一文庫が収蔵してくれたので、興味がある方はぜひ足を運んでみてください。OPACのデータにも反映されています。

--発表の反応はいかがでしたか。たとえば、ウィキペディアについての突っ込んだ質問などはありましたか。

いえ、ウィキペディアの編集方針について慣れ親しんだ方はいらっしゃいませんでした。

ただ、ありがたいことに聴衆の皆様からは「新しい視点で面白かった」という感想をいただきました。ある辞書編集者の方からは「用例を追加するのはよいことだと思っていましたが、版ごとの差分や履歴を記録しなければかえって混乱を招くということがわかりました」とお声がけいただきました。

--ウィキペディアのアウトリーチとしても、辞書コミュニティへの提言としても非常に有意義な発表だったと思います。また、ウィキペディアの利点のひとつである、版ごとの記録については、いわゆる既存の辞書にもきちんと取り入れられてほしいですね。

本当にそう思います。

3 今後の展望

--今回感じた課題、および今後の展望はありますか。

課題としては、出典の明示が不十分だったことですね。特に、ある辞書をめぐるSNS上の反応については、具体的なポストをもっと示すべきだったなと反省しています。

今後の展望については、辞書の利用者意識に関する調査を実施したいなと思っています。実は大学入試でも似たような調査を行ったのですが、不十分なところがあったと感じているので、もう一度きちんと取り組んでみたいです。

また、卒業論文でも辞書にまつわる分析を行いたいですね。ウィキペディアより国語学に寄った内容のものになるかと思いますが、がんばります。

--今後のご活躍も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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