2025年4月14日から始まった、「ウクライナの文化外交月間2025」執筆コンテストに参加しました。これまで2022年と2024年に参加したので、3回目になります。取り上げる記事は自由ですが、「おすすめ記事の一覧」が出ているので、そこから選ぶようにしています。リストは、映画、音楽、演劇、文学、視覚芸術、建築、一般、極めて重要な記事、ウクライナ語のみの記事、という9つのジャンルごとに作られていて、縦軸に記事名、横軸に言語が示されています。これを見ると、ある記事がどの言語版ウィキペディアにあるか無いかが一目でわかる、という仕組みです。
これまでは「音楽」と「文学」のリストから日本語版ウィキペディアに無い記事を選んで翻訳したのですが、今回は「一般」と「極めて重要な記事」から選んでみました。「一般」から選んだのは「現代ウクライナ百科事典」です。ウクライナの百科事典は、20世紀後半に「ウクライナ百科事典」というのが出版されていたそうですが、「現代ウクライナ百科事典」は2001年に刊行が始まり、全30巻の予定で、2022年時点で第24巻までが刊行されています。印刷版と並行してオンライン版も提供されていて、こちらは無料で読めるそうです。ウクライナを巡る状況が刻々と変化している現在、こうした百科事典の記述がどうなっているのかとても興味深いです。
「極めて重要な項目」の方はかなり日本語版への翻訳が進んでいましたが、まだ訳されていない記事から、「レフコ・レヴツキー」という人物を選んでみました。1889年に生まれ1977年に没したレヴツキーはウクライナの作曲家で、音楽教師としても活躍した人物です。才能に恵まれ多くの業績を上げた彼は、「労働赤旗勲章」はじめいくつもの勲章を授与されています。しかしウクライナ以外ではあまり知られていないらしく、近くの図書館で見たロシア音楽事典にも全く記載はありませんでした。こうした人物の記事を翻訳することで、ウクライナの音楽事情や歴史を垣間見ることができました。
「おすすめ記事の一覧」を見ると、「極めて重要な記事」以外には日本語版に無い記事がまだまだたくさんあるのがわかります。また「参加者」のページをみると、世界中からたくさんのウィキペディアンが様々が記事を自国語に翻訳しているのがわかります。こうした過程が全て公開され共有されるウィキメディアの仕組みは素敵です。今年のコンテストは5月16日まで続くので、もう少し続けてやってみようと思っています。みなさんもいかがですか。

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