「Wikipedia編集体験in高梁」における遠隔地からのフォローアップ

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2025年9月28日(日)、岡山県高梁市の高梁市図書館でワークショップ「Wikipedia編集体験in高梁」が開催されました。

高梁市図書館

2017年2月には現行館である高梁市図書館が開館しており、私は同月中に高梁市図書館を訪れると、同年6月には「高梁市立図書館 – Wikipedia」を作成しました。公共図書館の新館が開館すると、ウェブ上において旧館の情報は瞬く間に埋もれていきます。利用者サービスなどを伝えるための公式サイトと、知識の体系的記述を行う百科事典の特徴の違いを意識し、現行館開館以前の歴史を丁寧に記述することを心掛けています。

学生による編集体験企画

各地のウィキペディアタウン開催情報を検索していた際に見つけたのが高梁市の企画です。会場はJR備中高梁駅に直結した高梁市図書館、講師は吉備国際大学の竹岡ゼミ(竹岡志朗先生)とのこと。前日には名古屋市内で予定があったこともあり、結局私は高梁市の企画には参加していませんが、『ウィキペディアでまちおこし』の著者である伊達深雪さんが高梁市の企画に参加しています。

上述した経緯もあって高梁市に興味を持っていた私は、10時から17時の企画開催中にも「新しいページ – Wikipedia」において「備中高梁稲荷神社」が作成されているのを把握し、どのような編集作業が行われているのかを想像していました。ウィキペディアタウンというワークショップでは、ある程度の記事の骨格ができた状態で標準名前空間に投稿し、あらゆる閲覧者に公開された状態の記事を参加者が協力して編集することが多いと思われます。投稿直後は内容が不足していたり、誤字脱字などが見られたりする不完全な状態ですが、企画終了時に完成された状態とすることを目指します。

遠隔地からの加筆修正

この企画では参加者の多くが編集初心者だったようで、「備中高梁稲荷神社」という記事においては企画終了時点でも不完全な部分が散見されました。文献の調査、執筆、投稿を数時間の間に行ってしまうウィキペディアタウンではやむを得ないことでもあります。そこで私は、企画が完全に終了していることを伊達さんに確認した上で、遠隔地から記事の加筆修正を行いました。なお、WikipediaはGoogleドキュメントなどとは異なり、複数の編集者が同時に編集を行うことができません。現地参加者と遠隔地の編集者が同時に編集を行おうとすると、Help:編集の競合が発生してどちらかの編集が失われてしまう可能性があります。

既存の記述の修正としては、定義文への読み仮名の追加、高梁川や備中高梁駅など様々な記事へのリンクの追加、内容がなかった境内節への内容の追加などを行っています。文章の加筆としては、国立国会デジタルコレクションによる文献検索、ウェブ検索による新聞記事の検索などを行って編集しました。下記画像の前者が企画終了時の記事、後者が私の加筆修正後の記事です。

ウィキペディアタウンの現場では編集未経験者のアカウント作成に時間を要したり、編集未経験者の作業をサポートする対応に追われたりすることが多く、たとえ編集経験の豊富な参加者であっても文献を精査しながら執筆を進めることが困難な場合もあります。一方で、こうした事情は企画に参加していない一般のWikipedia読者には無関係なことであり、不十分な内容の記事を閲覧させることでWikipedia全体の信頼性や評価の低下を招くことにもなります。

今回の企画の主催者は高梁市図書館であり、図書館は事前に『高梁市史』や『高梁観光百選』などの文献を準備していたようです。吉備国際大学の学生が信頼できる情報源の重要性や出典の明記などといったWikipedia編集の基礎を学ぶ機会としてとても有意義であり、学生や竹岡ゼミが今後も継続的に編集活動を行ってくれることを期待しています。

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