早稲田Wikipedianサークルのりん(User:Lin xiangru)です。先日9月6日(土)、奈良国立博物館にて美術品を鑑賞し、つづいて奈良県立図書情報館にて簡単な記事の編集会を行いました。本稿では、その編集会について簡単に報告します。
編集会のきっかけと題材選定
先日行われた東京国立博物館でのエディタソン以来、美術品への関心が高まりました。九州国立博物館は以前見学したことがありましたが、残りの二つの国立博物館、京都国立博物館と奈良国立博物館はまだ訪れたことがありませんでした。そこで、記事の題材探しも兼ねて、二つの博物館を見学することにしました。
奈良国立博物館を一緒に見学しないかと呼び掛けたところ、Popbeans(User:Popbeans)さんが名乗りでてくださいました。Popbeansさんは、「[[大和郡山市の金魚]]」や「[[魚梁船]]」といった、奈良県にまつわる題材の執筆経験もある方です。
Popbeansさんとは、先日武蔵大学で行われました「アート+フェミニズムエディタソン」でもお会いしました。エディタソンの楽しさを知ったこともあってか、すんなりと、奈良国立博物館を見学したのちに図書館に直行して閉館まで記事を編集する「ウィキペディア狂いルート」をしようと決まりました。
この話を決めたのが前日でしたので、急遽題材を選ぶことになりました。私は常々「書道作品」の記事を拡充したいと思っていました。そこで今回は、「国宝」でなおかつ、できることなら「書道作品」から題材を選びたいなと考えました。調べてみると、奈良国立博物館には、国宝が13件、そのうち書道作品は2件存在しました。「日本書紀 巻第十残巻」と「久隔帖」です。前者は独立記事にしづらそうな内容であったのに対して、後者は現存する唯一の最澄直筆の書状という、特筆性のありそうな作品でした。
奈良博鑑賞
当日の午前中は奈良国立博物館を見学しました。特別展「世界探検の旅-美と驚異の冒険-」(奈良博HP)が行われていました。天理大学附属天理参考館の膨大なコレクションをもとに構成された特別展だそうです。私が通っている京都大学の博物館は「日本初の大学博物館」とされているようですが、その割には展示品が少ないような気がしていたので、天理大学の膨大なコレクションにはとても驚いた、というよりも羨ましいと思いました。いずれ、京都大学総合博物館でもなにかエディタソンをやってみたいですね。レプリカが収蔵されている「大秦景教中国流行碑」は、題材としていいのかなと思っています。

(Classical Numismatic Group, CC BY-SA 3.0)
特別展の展示品のうち、私が特に気に入ったものが二つほどありました。一つ目はサーサーン朝時代の硬貨(英語版)です。サーサーン朝にまつわる記事を書く中で、いつも写真をみていたものでした。いつか実物を見てみたいとは思っていましたが、まさか今回の特別展で見ることができるとは思っていませんでした。想像していたよりも小さく、けれども緻密な装飾が施されていて、とても美しく一つは手元に置いていたいなと思いました。
もう一つが、ササンガラスの器、つまり前回執筆した「[[白瑠璃碗 (伝安閑陵古墳出土)]]」の類似品でした。展示の解説を見てみると、類似品として例の安閑天皇陵から出土した白瑠璃碗の写真が掲載されていました。これには私も大喜び。自分が記事を書いた題材が言及されると、反応してしまうのは執筆者あるあるではないでしょうか。これらのササンガラスの器は銀化が進んでおり、やはり安閑天皇陵出土の白瑠璃碗の透明さは特別だと感じました。
その他にも、常設展の青銅器コレクションなどを鑑賞しました。「この作品/ジャンルは特筆性があるのだろうか」と、編集者らしい言葉が飛び交いました。残念だったのは、今回の記事の題材である「久隔帖」が展示されていなかったことでしょうか。
編集会
午後からは、奈良県立図書情報館で編集会(エディタソン)です。(参加したのは私とPopbeansさんの2人です。)
ただし、席の都合上、同卓というわけにはいかなかったので、ほぼ一人で編集していたような感じでした。編集の時間はおそらく5時間程度だったでしょうか。今回の題材は、思っていたよりも言及している文献が少なく、ある程度の編集が終わりました。午後8時の閉館までに、記事を投稿することができて何よりです。
Popbeansさんはというと、「[[大和の清九郎]]」という記事を立項されたようです。初めて聞いた方ですが、どうやら浄土真宗の熱心な信者として、尊敬を集めた方だそう。
私が執筆した「[[久隔帖]]」は、9月の月間新記事賞に選出されたようです。1万バイトほどの小規模な記事が、月間新記事賞に選ばれることはないだろうと思っていただけに少し驚きです。GA選考にかかっているので、弊学の図書館の文献で加筆できればと思っております。
まとめ
東博エディタソンなどの熱が冷めきれないうちに、「奈良博エディタソン」ではないですけれども、それに近いような編集会を行いました。私は奈良博収蔵の国宝「久隔帖」の記事を立項しました。是非、今後とも博物館鑑賞とウィキペディア編集を組み合わせたことを、小規模ながらでもやっていきたいですね。もちろん、奈良博の協力が得られるとさらにいいのですが。次は「正倉院展」の鑑賞と「正倉院宝物」のエディタソンなどいいのではないしょうか。とふと思っています。(他にも誘えそうな方がいらっしゃれば、なおよさそうですね。)
以上、奈良県立図書情報館で行った編集会の簡単なレポートでした。是非仲間内でもいいので、このような形の編集会を行っていただけたらと思っております。
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