「ウィキペディアタウンin岩村」に参加する

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2025年10月25日、岐阜県恵那市岩村町で開催された「ウィキペディアタウンin岩村」に参加しました。

イベント概要

「ウィキペディアタウン」とは、図書館、自治体、市民団体などによって開催されるWikipediaの編集ワークショップです。地域の歴史や文化に関する記事を〈市民の手で〉充実させることを目的としており、2012年以降には日本各地で開催されています。

10月13日に開館したばかりの恵那市中央図書館岩村分館のオープニングイベントの一つとして開催されました。午前中は、講師である青木和人さんによるWikipediaの説明を聞いてから、ガイドさんに先導されて岩村町本通りのまちあるきを行い、午後には4グループに分かれてWikipedia編集を行いました。

なお、このイベントには愛知県春日井市の中部大学から10数名の学生が参加しており、中部大学の教員も4人いました。主催する図書館側では、中央図書館の湯藤奈保美館長を含めて5人がイベントに対応しており、イベント規模を考えるととても手厚いフォロー体制でした。

まちあるき

図書館が事前に選定した題材は「勝川家住宅」、「木村邸」、「岩村町秋祭行事」、「天正疎水」の4つ。中部大学の学生もイベント開始時には既に自分の担当グループが決まっていたようであり、その他の一般参加者も担当グループを決定してからまちあるきに臨みました。

岩村町には恵那市指定文化財の町家が5軒あり、今回は勝川家住宅と木村邸の2軒を見学しました。勝川家住宅と木村邸はいずれも、主屋の背後にある離れや土蔵などに特徴がある町屋ですが、見学施設でなかったら見られない部分です。

木村邸の敷地最奥部の寿庵には、岩村町秋祭行事で用いられる神輿渡御行列の衣装が展示されていました。主催者が選定した4つの題材はいずれも相互に関連しており、ウィキペディアタウンにおける題材選定として非常に優れたものだと感じます。

Wikipedia編集

午後のWikipedia編集において、私は「勝川家住宅」グループに入り、中部大学の学生3人、院生1人、教員1人と一緒にグループワークを行いました。

今回は4グループそれぞれに対して、図書館職員が事前に下書きを準備しています。勝川家住宅の下書きはとても完成度が高く、準備された文献の内容がすべて下書きに反映されている状態だったため、我々のグループは編集開始時点で加筆できることが見あたらずに途方に暮れました。

議論を経て画像のアップロードをメインに行いましたが、事前に準備されていた充実した文章に画像を添えることで、より完成度の高い記事となっています。見学時には映画『銀河鉄道の父』ロケ地となったことの説明も受けましたが、この部分についても学生らが加筆しています。近年の動向については図書館が所蔵する書籍に記されていない場合が多く、施設を見学して説明を聞くウィキペディアタウンの意義がある加筆となりました。

なお、私は中庭にひっそりと建立されていた石碑「勝川勇作翁の顕彰碑」が気になりました。国立国会図書館デジタルコレクションで検索したところ、この育英財団についてはいくらかの文献がヒットしたため、下書きには一切言及されていなかった財団のことを書き加えています。

中部大学の学生は探求学習を積み重ねて育った世代だけに、とても能動的に議論に参加し、議論内容を即座に理解して編集に取り組んでいました。30代以上の世代が参加するウィキペディアタウンと比べて、編集作業がとてもスムーズに進行したことで、ファシリテーションについては教員と院生の方に任せ、私は全員の編集フォローや、自身の編集に専念できました。学生向けのイベントと考えると、大きな成果があるイベントでした。

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