ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:6人のオンラインフォーラム

Translate this post

今年の「ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025」では、対面でのフォーラムの他に、11月に6回のオンラインフォーラムを実施し、6人のウィキメディアンからウィキメディアに関する様々な話題を提供していただきました。

WikiConference Seoul 2025 登壇&参加報告

トップバッターは11月11日のNarumi.SBTさん(Wikimedians of Japan User Group)で、先日韓国で開催されたWikiConference Soul 2025Eugene Ormandyさんと共に登壇された内容や、カンファレンスの様子、そしてソウル市内での経験を話してくださいました。国立韓国近現代史博物館の展示や、市内の川沿いのベンチで多くの人々が読書を楽しむアウトドア・ライブラリーなどの興味深いお話に続き、今後の日韓コラボレーションの可能性についても言及されました。

WikiConference Seoul 2025のセッションの様子

ウィキメディア・プロジェクトと人々

11月17日には稲門ウィキペディアン会Eugene Ormandyさんが、ウィキメディア・プロジェクトを支える様々なコミュニティについて、「同好会」という表現でその実態を話されました。それはまず稲門ウィキペディアン会のようなボランティアの同好会、次にウィキメディア財団から助成金を得ている同好会、さらに財団のアフィリエイツ(提携団体)であるユーザーグループ国別協会、そしてESEAPなど地域横断的なハブと呼ばれる組織です。日本の同好会の特徴に触れた後、今後の展望として、多様なニーズに対応できる多様な同好会それぞれの発展が望まれる、と結ばれました。

Wikimedia Commonsを活用した地域の想い出作り

11月18日に登壇したOpenStreetMap (OSM) Japanの坂ノ下勝幸さんは、地域の様々な場所の情報をあつめたデータベースであるOSMに長年関わっておられます。地域情報を将来に残すのであれば、オープンデータを利用し、国際的なプラットフォームを活用することが大切、と強調されました。また、これまでに関わられた諸国・浪漫新大阪/三国おたちよりマップ大阪想い出のこしマップなど、具体例をいくつもご紹介いただきました。さらに、フォーラム実施時間中の国内外のOSM画面を見せてくださり、世界中のボランティアが関わっている様子がよくわかりました。

ウィキペディア・タウンで図書館の郷土資料を活用しよう!

福井県立大学教授青木和人さんは11月19日に、ご自身で関わってこられたオープンデータコミュニティについてお話くださいました。図書館総合展ブースで掲示したウィキメディア年表を参照されながら、2013年に横浜で日本初のウィキペディアタウンが開催され、翌年にはオープンデータ京都実践会が活動開始したこと、そして図書館にある郷土資料を活用し、観光地ではない地域でも地元の情報を調べて発信する面白さを強調されました。それはウィキペディアによるデジタルアーカイブ構築ともいえるもので、ウィキペディアタウンに留まらない、多様な可能性を秘めたお話でした。

英日翻訳ウィキペディアン養成プロジェクトクラスを10年続けて

11月20日には武蔵大学教授の北村紗衣(さえぼー)さんが、2015年に東京大学で始められ、その後武蔵大学で継続されている、英語版ウィキペディア記事を翻訳して日本語版ウィキペディアに載せるプロジェクトについて話されました。これまでに完成した300以上の記事の概要、英語教育における成果と課題、学生たちの反応など、具体的で刺激に満ちたお話でした。受講した学生でその後活発なウィキペディアンになった例は残念ながら乏しいそうで、質疑応答ではそれに関する解決策などが様々に提案されました。

Cream tea in Bourton-on-the-water
良質な記事に選ばれた「イギリスの茶文化」の写真

「大学の人がウィキペディアを編集してみたらどうなるの」その後

フォーラム最終回の11月23日は、至誠館大学の伊藤陽寿さんが、ご自身の研究対象である琉球王国の政治家「羽地朝秀」の記事の加筆過程について、詳しくお話下さいました。独自研究を載せることにならないかという点について、記事の「ノート」を活用して意見を募られたそうです。このあたりは主題によって、また関わるウィキメディアンによって意見の分かれるところかもしれません。いずれにせよコミュニティの合意によって進められることですので、そうした手順を踏むことは大切です。

※ ※ ※

以上、今回のオンラインフォーラムでは、6人のウィキメディアンから多面的なお話を伺うことができると共に、様々な課題も浮かび上がりました。この経験を今後の企画に活かしていければと思います。フォーラムには延べ100人近い方が参加して下さり、ウィキメディア・ワールドについて発信し、また対話することができました。登壇された皆様、聴衆の皆様全てに感謝申し上げます。

Can you help us translate this article?

In order for this article to reach as many people as possible we would like your help. Can you translate this article to get the message out?