ウィキメディア財団2026-27年次計画のゴール策定:ウィキメディア運動の重点となる質問

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Autumn landscape near Gullesfjordbotn, Hinnøya
クヴェフィヨルド湾近くの秋景 (ノルウェー、ヒン島)(撮影者:Ximonic (Simo Räsänen) Wikimedia CommonsよりCC BY-SA 3.0

年次計画(Annual Plan)はウィキメディア財団が来たる年度に何を達成したいか述べるものです。今はまさにウィキメディアのプロジェクト群にとって緊急かつ集中すべき時期であり、つまりグローバルなトレンドの検討が示すように、インターネットと情報エコシステムは急速に変化を重ねています。AIにはインターネットに変革をもたらす力が備わり、若い世代の情報利用の方法が新しくなったり、政府や規制による監視の強化も進んでいます。私たちとしても、ウィキペディア利用者の新しいトレンドに着目したばかりです。

こうしたトレンドが具体してきたなかで、対応策を盛り込んだ年次計画を策定しました。次期予算年度は2026年7月から翌2027年6月までの期間にあたり、年次計画では時流に沿って技術と体験の進化を続けようと目指します。その取り組みは精力的に進めますし、ウィキ類の価値をここまで高めてきた要素を守りつつ、さらに強化していきたいと考えます。今後とも多世代にわたるプロジェクトであり続けたい、将来の世代も各自に適した方法で公開の知識にアクセスし自由に貢献できる状態を保ちたいのです。

例年のとおり、皆さんにも私たちと共にこの年次計画策定を進めてもらいたいと思います。時間とリソースをどのように活用するか、当財団の判断の参考にさせてください。皆さんのご希望やご懸念、大胆なアイデアや具体的なご要望をどうかお聞かせ願えないでしょうか。

さて当財団の製品技術部門(Product & Technology)の年次計画の作成業務では、まず「全体像」をめぐる質問集をまとめ、その早い段階で共有するところから着手しています。これらの質問はいずれも、意図的に前予算年度の目標と類似させてあります。(年度が変わっても)私たちの課題の多くはその重要度を引き継ぐのだし、複数年にわたる取り組みが必要だからです。これらとは別に、皆さんとの対話で聞き取ったり、アンケートや調査インタビューを実施したり、コミュニティ要望リストやリモートの打ち合わせ、カンファレンスで対面したりするほか年次計画のトークページを活用するなどして、取り組んでいきます。

このプロセスは前回、どの作業を優先するとコミュニティとプロジェクトに益するか決める上で有効でしたし、そこから今年度の計画策定に至っています。例えばモバイル編集が依然として大きな課題であるというご意見は、特定のコミュニティ(英語版)からも製品技術諮問委員会(英語版=Technology Advisory Council)からもお聞きしており、そこで構造化タスクの構築と編集チェック機能の開発を続けると決めて、追加の調査(英語版)を実施しモバイル編集の成果向上を確実に継続しようと臨んでいます。また、コミュニティから受けたフィードバックと製品技術諮問委員会のガイドライン(英語版)を活用し、コミュニティの参加を早い段階で得たおかげで閲覧者対象の作業を開発および伝達する共同の方法(英語版)を再構築しました。互いの期待とガイドラインをすり合わせて共通させることで、製品の責任ある実験が可能になり、現在および将来の世代の読者と編集者のニーズを満たす作業に確実に取り組むことができます。

そのほか、長年にわたってたびたび提起されてきた点についてはコモンズ関連の問題をめぐる一連の意見聴取と協議の場英語版)を設けており、インフラ改善を優先的に実施するという成果が出せたのはコモンズ・データベース、ソフトウェアの構成要素の一部、さらにvideo2commons(英語版=訳注:動画投稿用のビデオ・トゥー・コモンズ)でサポート外だった特定のツール類英語版)が対象でした。あるいはまた、モバイル版ドメインの廃止(英語版)により、特にコモンズ関連ページにおいて読み込み時間と検索エンジンの可視性向上に成功しました。

上記に加え、コミュニティが長年にわたり懸念を表明された CAPTCHA のアクセス性と、拡張権限を預かる利用者から受けた自動編集の検出強化というご要望を受けて、新しいボット検出サービスの実地試験は英語版ウィキペディアほか複数のウィキに導入し、アカウント作成と高リスク編集の両方を検出対象としました。

今後の展望ですが、ウィキメディア・プロジェクトは – それを支援する計画ともども – これまで以上に世界から必要とされています。年次計画の次期サイクルを迎えるにあたり、私たち職員の頭に浮かんだ疑問はすべて、皆さんとシェアできるよう最善を尽くしているところです。すべての疑問の答えを皆さんに出してもらおうという立ち位置ではなく、むしろ、皆さんにとってどれが最も大切なのか、シェア願えないだろうかと期待しております。もしも私たちと一緒に考え、想像する時間を割いてくださるなら誠に幸甚です。今後のプロセスについても、1月には詳細をお知らせする所存です。

グローバルな傾向

グローバルな傾向(トレンド)はウィキメディアのプロジェクトに限定せず、インターネット全域に影響を及ぼす状態が続いています。これらのトレンドが皆さんにどのように波及するのか、そして私たちの対応はどうあるべきか、ぜひご意見をお聞かせください。

  • 今年、世界でウィキメディアを除く分野において、どんな重要な変化に気づかれましたか、その最大のものは何でしたか? 技術面か教育か、あるいは人々の学びの方法のトレンドも視野に入れてください。
  • ウィキメディア運動を除外すると、オンラインでどんなコミュニティに参加されていますか? 私たちが他のコミュニティのプラットフォームから学べるとすると、どんなツールやプロセスが候補になり、どういう教訓を得られそうですか?
  • これまでの1年を振り返って、ご自身と AI との関係は変わりましたか? 例えば1年前と比べると、次のどれが当てはまりますか?AI を活用した機能やツール(※)を今は頻繁に見たり利用している/ほぼ同じ/減っている(※=ウェブ検索で AI に要約してもらう、メールや文書の文面を要約したり自動作成する機能など)。AI からウィキペディアが受ける影響は、1年前と比べると次のどれが当てはまりますか? 今は心配または懸念がある/以前より心配は減った/ほぼ以前のまま。

試策

現状に緊急かつ集中的に取り組む方法として、コミュニティにとって健全な方法を迅速に、新しく実験し試す必要があります。私たちは新たな実験方法をコミュニティと共に進めようと、模索しているところです。

  • ウィキ類でこれこれの変更をテストしてみたいというアイデアはありますか? 測定したいのに実際は不可能なものはありますか? 波及効果や因果関係という面で具体的な疑問があり、財団側に考慮してほしいものはありませんか? – 一例として、ウィキ類でご自身が特定の現象を見つめてきたが、その原因が機能なのかバグなのか知りたいなど。
  • 私たちは新しいツールや機能の実験において、コミュニティの皆さんと意思を通わせた協働を非常に重視しています。皆さんとの協調を保ちながら、改善をより迅速に実現するにはどうすればよいか、アイデアをお持ちではありませんか?

新規利用者

調査によると、ウィキペディアの新規利用者は編集作業そのものが難しかったり、編集を息長く続けたくても苦労ばかりだと明らかになりました。そこで、新規利用者の参加促進が実証された一連の機能、さらに編集チェック機能といって建設的な編集のために必要な方針とガイドラインの遵守を補助する機能を開発してきました。新規利用者が伸びて実力を備えた貢献者になるには、他にどのような支援ができるでしょうか?

  • ご自身の経験上、どうやって自信をつけたり、貢献する方法を理解した秘訣や役立ったものごとは何でしたか? また今この時点で、新人編集者の人たちにどんなものが役に立ち、どのように構築したらよいかお勧めはありませんか?
  • 初学者の研修や教育あるいはメンター(指導役)を経験された皆さんがおられましたら、新人がどうすれば貢献する編集者として技能を身につけるか、どのようなことを見たり聞いたりしてこられましたか?

拡張権限を預かる利用者

偽情報や誤情報、不正行為やセキュリティへの脅威もどんどん高まっており、拡張権限を預かる利用者の皆さんによる措置はこれまで以上に重要度を増してきたのに、これら利用者の人数は、もっとも規模が大きい複数のウィキペディアで減り続けるばかりです。本年のウィキマニアでは拡張権限を預かる利用者の皆さんに集合してもらい(英語版)、最善手法をシェアしたり将来の展望を語り合う場を設けました。拡張権限を預かる利用者や編集者のコミュニティをより強固にするには、これ以外にどんな方法があるでしょうか?

  • ご自身が活動中のウィキでは、どんな物事の優先順位を高くしておられますか? 皆さんのコミュニティでは、目的を申請の受付や未処理の課題把握として、ご自分たちで開発したページやカテゴリ、手順あるいはツールを採用しておられるなら、それらを具体的に教えてもらえませんか?
  • 巡回に自発的に参加してくれる編集者を増やすには、どんな点をどう改善すると良いでしょうか?


協働

貢献者の皆さんには、ウィキのプロジェクト類で共に作業できる相手をもっと簡単に見つけてもらいたい、そして全体の貢献を強化し様々なウィキで人脈作りで(英語版)に役立ててもらえないかと考えます。

  • ご自身あるいは所属するグループのため、編集について目標や課題を設定したことがある皆さんは、その目標設定を具体的にどう想定して共有されていますか? またそういう作業を他の人とシェアする方法があるなら、興味をもたれますか?
  • (エディタソンやワークショップやオフ会など)イベント主催者として、いちばん難しい課題はなんですか? 満足のいく結果を出すため、技術面でウィキメディア財団がお手伝いできることがあるなら、具体的にどういうことでしょうか?
  • ウィキでは現状、どういう形で他の人の作業に感謝の気持ちを伝えておられますか? 編集者同士、お互いに感謝の気持ちをもっと伝えやすくするには、どんな方法がありそうですか?

閲覧

ウィキペディア利用者の新しいトレンドによると、人々が開くサイトが必ずしも「wikipedia.org」でなくても、実はインターネット全域でウィキメディアのコンテンツにアクセスしていると判明しました。そうは言ってもウィキペディアへのアクセス件数の減少はすなわち、コンテンツの進展と充実をになうボランティアの人数の減少に直結し、この活動を支援する個人寄付者も減ってしまうかもしれません。現在、私たちが進める試策では、一方で熱心な読者を対象に慣れ親しんだ学習法を強化すること、他方で新しく読者になる人に新しい学び方を築くこと、これら両方に焦点を当てています。皆さんにお尋ねしますが、ウィキペディアの読者獲得とその保持には、何が最も効果的だと思われますか?

  • 新しい世代にとって、ウィキペディアはコンテンツが面白くない、魅力がないとするなら、その理由は何でしょうか? それを克服するとして、既存のコンテンツを活用してどういう方法があるでしょうか?
  • チャットボットや AI の活用は、情報検索の手段として、ますます人気を集めています。この傾向が進む中で、情報を探すときはウィキペディアを頼りにして優先的に利用しくれる人がおり、何をすると、そういう人たちをもっと増やせるでしょうか?  
  • これまでにご自身以外の人の経験を見聞きされた範囲で、その人たちはウィキペディア以外に、どういう方法で効果的に知識を学んだり探求していますか? それらの方法に、ウィキペディアでも参考になりそうな物事はありませんか?

オンウィキで協議する

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