Ga2byと申します。先日、台湾・高雄で開催されたESEAP Conference 2026に参加する機会をいただきました。
参加前からDiffに記録を書こうとは決めていたのですが、イベント中に得たものがあまりにも多く、とても1本の記事にはまとめきれないと感じました。そこで、参加記録についてはテーマごとに分けた連載形式で投稿したいと思います。
今回の記事は、海外ウィキメディアンとのコミュニケーションについて。
このカンファレンスでは、ESEAP地域から参加された海外のウィキメディアンの方々と交流する機会を多くいただきました。しかし、カンファレンス初参加の私にとって、イベント開始時点における日本人参加者以外との繋がりはほぼゼロ。カンファレンス前日にホテルのロビーに到着した際、日本勢の方々が顔見知りの海外ウィキメディアンとの再会の喜びを味わっている場面で、誰も知人がおらずアウェー感を抱いた…なんてこともありました。
それでもせっかくの機会なのだから他者から吸収しなければという一心で、カンファレンス開催中はとにかく隣の席になった方と話したり、他のウィキメディアン同士の会話に加わったりしていました。この時の様子を振り返ってみると、会話をうまく広げられた場面もあれば、もう少し交流を深められたかもしれないと思う場面もあります。一方で、さまざまな方と話す回数を重ねるうちに、少しずつコツを掴み、慣れていった感覚もありました。
そこでこの記事では、国際会議でウィキメディアンと交流する、具体的には「まったく話したことがない状態」から「少なくとも一度は話したことがある、お互いについて多少は知っていて、どのように関係を深めればいいか分かる状態」へ移るためには何を知っておくとよいのか、どのような行動を取ればよいのかを、今後の自分へのメモも兼ねてまとめておきます。
まずは質問から
海外のウィキメディアンと話すといっても、「何から始めればよいかわからない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。少なくとも私はそうでした。そのようなとき、知的好奇心の強いウィキメディアンの方々に対して最も取っ掛かりやすい方法は、「質問すること」だと思います。
ただし、いきなり質問攻めにするとびっくりされる可能性もあるので、まずは挨拶。それから、同じプログラムに一緒に参加する場合には「Are you gonna join xx? (この後のxx(プログラム名)に参加する予定ですか?)」と聞く。登壇者の方であれば、「I joined xx. It was great!(先ほどのxxに参加しました。よかったです!)」と感想を伝えるところから入るのも話しやすかったです。また、ワークショップやディスカッションですでにやり取りをしている場合には、その場で話していた内容をもう少し掘り下げてみるのもあり。
その後は、だいたい以下のような話題について話していました。このリストは、多くのウィキメディアンの方と交流する中で何度か繰り返し出てきた話題を集めたものです。話題が尽きたときに切り替えるための候補として持っておくと便利だと思います。
- 名前(ユーザーネーム)
- 出身国・地域
- バックグラウンド(学生、職業)
- どのプロジェクトに興味があるか(ウィキペディア、ウィキデータなど)
- どの言語版に関わっているか
- どのようにプロジェクトへ関わっているか(編集、研究、ガバナンスなど)
- 興味分野(編集内容)
- 今回の会議に自国から何名参加しているか
- カンファレンスの開催国に来るのは初めてか
- カンファレンスで講演・ポスター発表をする(した)か
- これまでの会議への参加回数
- どのプログラムに参加する予定か
私自身の体験では、同じセッションに参加した方とプログラム前後に話したり、街歩きツアーでご一緒した方と歩きながら話したりすることが多くありました。また、ただプログラム表の前で突っ立って予定を確認していただけで話しかけられることも。
海外の方と話すとは言っても、ウィキメディアという共通の土台がすでに存在しており、また参加者の方々はカンファレンスへ参加するほどウィキメディア・ムーブメントへの関心が強い傾向にあるため、完全な初対面であっても話題さえ見つかれば会話はしやすいと感じました。
連絡先を交換しよう
社会人同士の交流では、連絡先交換の手段として名刺が使われることが多いと思います。学生でもイベントによく出入りする方なら名刺を持っている場合も少なくありません。
ただ、少なくとも今回参加した方々との連絡手段としては名刺よりもSNSの方が使いやすそうだと感じました。具体的には、InstagramやLinkedInなどです。特にLinkedInに関しては、海外だとキャリア用SNSとして幅広く使われているイメージがあります(体感ですが)。利用者のバックグラウンドも分かるので、海外の方と関わる上でLinkedInの使用はおすすめです。
また、今回の会議では、参加者向けの情報共有手段としてTelegramグループへの参加が推奨されていました。Telegramは個人同士のやり取りにも利用できるため、会議後に交流を深める手段として使うのもよいと思います。
タイミングとしては、一緒にプログラムに参加した後や会話がひと段落ついた後、写真を撮ったついでなどがおすすめです。私もある参加者の方とは、街歩きツアーで話し込み、顔見知りになった後の帰路で「Do you have an Instagram?」と話しかけてもらいました。
英語は必要か?
今回のカンファレンスには日本からも多くの参加者が集まっていました。その中には、「英語が難しい」と話されている方もいました。
私自身、今でこそ英語でのコミュニケーションにそこまで臆さないようになりましたが、3年前、国際系の学部に入学したばかりの頃は状況がまったく違いました。当時は海外での長期滞在経験もないまま、英語で留学生や帰国子女の学生、海外出身の教授と話さなければならない環境に置かれ、「こんな場所で本当にやっていけるのだろうか」と不安に感じていました。今の英語力は、留学準備のために資格試験対策を行ったり、授業やサークルで出会った学生や先生方の話し方を真似したりしながら身につけたものです。
ただ、英語でのコミュニケーションについては、話す技術そのものよりも「何を話すか」の方がずっと重要だと感じています。
発音がどれだけきれいでも、語彙がどれだけ豊富でも、話したい内容がなければ会話は続きません。逆に、伝えたいことと、それを伝えようとする気持ちがあれば、多少片言であっても、簡単な語彙と文法しか使えなくても、相手は耳を傾けてくれます。
現在では、会話内容を翻訳するツールや、音声を文字起こしして後から読み返すためのツールも存在しています。今回のカンファレンスでも同時通訳のツールが使われていましたし、海外のウィキメディアンにも英語以外の言語で話していた方は複数名いらっしゃいました。ウィキメディアでそれらを使うことについてはさまざまな意見があるかもしれませんが、目的がコミュニケーションを円滑にすることであるなら、十分活用の余地はあると思います。そして、少なくとも会議に参加する方々には、その使い方を適切に判断するだけのモラルはお持ちでしょう。
Open up!
今回の記事では、海外ウィキメディアンと仲良くなるにはどんな会話や行動をすればいいかについて、私論をまとめてみました。
日本でウィキメディア関連イベントに参加する中で、私は「海外の方々から、日本語版ウィキメディア・ムーブメントは何をやっているかよくわからないと言われている」というお話を何度か伺ってきました。確かに、現時点ではうまく伝わっていない部分が大きいのかもしれません。
しかし、日本語版プロジェクトにも真摯にウィキメディア・ムーブメントに関わる方々、話すべきことを持った方々がたくさんいらっしゃいます。日本語版の知識や文化は、海外の方々にもきっと価値をもたらすでしょう。そして、海外の方々と繋がることは、やがて自分自身のウィキメディア・ムーブメントとの関わりをも豊かにする、と私は思います。

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