ウィキペディア記事「これから出る本」を立項する

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稲門ウィキペディアン会Eugene Ormandy です。2024年7月、日本語版ウィキペディアに「これから出る本」という記事を立項したので、本稿ではそのプロセスをまとめます。ウィキペディアの編集に興味がある人のお役に立てば幸いです。

稲門ウィキペディアン会のロゴ (Uraniwa, CC0)

経緯

図書館情報資源概論 改訂』という書籍(2020年出版)を読んでいたところ、図書館等の選書作業に役立つ雑誌としてあげられていた『これから出る本』に目が留まりました。というのも、2023年12月にこの雑誌が休刊した際、友人がSNSで「残念だ」と嘆いていたのが印象に残っていたからです。

この雑誌の詳細を知るために日本語版ウィキペディアを確認したところ、記事が存在しなかったので勉強がてら自分で作ることにしました。この程度の軽いノリで作れるのがウィキペディアの魅力です。

上ルサチアの科学図書館の本棚。(Ralf Roletschek, CC BY 3.0)

編集

基本資料

まずはGoogleで「これから出る本」と検索し、ウィキペディアの出典として活用できそうなものをピックアップすることに。ヒットしたウェブページのうち、国立国会図書館関西館が運営する図書館ニュースメディア『カレント・アウェアネス・ポータル』の記事と、オンライン版の雑誌『週刊エコノミスト Online』の記事を使うことにしました。特に後者は、『これから出る本』への寸評が掲載されていたので、ウィキペディア記事の評価節などで引用できるなと感じました。

いったん、前掲書『図書館情報資源概論 改訂』と上記ウェブページ2つを活用して、ウィキペディア記事の大まかな下書きを作成。構成はとりあえず「沿革」「内容」「評価」の三部構成としておきました。基本的にこの3つをおさえておけば、形にはなりますからね。なお、その時点での下書きは以下のとおりです。ウィキペディアは版ごとの履歴が確認できるので便利ですね。

カレント・アウェアネス・ポータルを運営する国立国会図書館関西館 (Degueulasse, CC BY 3.0)

追加調査

その後、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォーム J-STAGE で「”これから出る本”」という完全一致検索を実施。同書に言及している論考が20件程度ヒットしたので、ページ内検索機能を活用して一つずつ拾い読みを行い、ウィキペディア記事の出典として活用できそうなものをピックアップして下書きに追加しました。

なお、先述の出典3つでは言及されていなかった「『これから出る本』に掲載された情報が、実際の刊行時には変更されることがある」という情報を発見できたのは大きな収穫でした。単なる概要や称賛のみならず、批判も盛り込むことでウィキペディア記事は充実しますからね。

J-STAGE を運営する国立研究開発法人科学技術振興機構が入る川口センタービル。(あばさー, CC0)

ウィキデータの整備

ウィキペディア記事を公開する前に、ウィキデータ「これから出る本」を作成しました。編集にあたっては、同じ日本語の雑誌である「週刊文春」のウィキデータを参考にしました。

ウィキペディア記事の公開

最後に、デフォルトソートやカテゴリを追加し、ウィキペディア記事を公開しました。また、ウィキペディア記事「日本書籍出版協会」内の文字列「これから出る本」をハイパーリンク化し、孤立の解消を行いました。

まとめ

ウィキペディア記事「これから出る本」およびウィキデータの同項目を作成したプロセスを記しました。ウィキペディアの編集に興味がある方や、自分以外のウィキペディアンがどのように記事を編集しているか気になっている方のお役に立てば幸いです。

なお、ウィキペディアの編集記は他にもいくつか作成しておりますので、関心がある方はご覧くださいませ。本稿では取り上げなかった、英語資料の調べ方などもまとめています。

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