CEE Meeting 2024 の予定を立ててみた(9月20日編)

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稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。2024年9月20日から22日にかけてトルコのイスタンブルで開催される、ウィキメディアの国際会議 CEE Meeting 2024 に参加することになったので、当地での予定をまとめておきます。本稿では9月20日の予定をまとめます。

Uraniwa, CC0

CEE Meeting 2024 とは

CEE Meeting 2024 とは、東ヨーロッパ、中央ヨーロッパで活動するボランティアのウィキメディアンによる集いである CEE ハブが開催する国際会議です。本会議には、上記地域からウィキメディアンたちが集まり、各地のグッドプラクティスを共有したり、ウィキメディアの今後について議論したりします。詳細については、メタウィキの [[CEE Meeting 2024]] をご覧ください。

Kurmanbek, CC BY-SA 4.0

参加に至る経緯

上述のとおり、CEE Meeting 2024 は東ヨーロッパ、中央ヨーロッパのウィキメディアンたちを対象にした会議です。ただし、今回は特例として、日本から私 Eugene Ormandy が参加することになりました。会議の主催チームに「私はウィキメディア日本トルコ友好プロジェクトの主催者の1人として、ぜひ CEE Meeting に参加し、同地域のウィキメディアンたちと友好を深めたいと思っている。なんとか参加を認めていただけないか」とお願いしたところ、ご快諾いただけたのです(ただし、参加費、宿泊費、交通費などは私自身の負担です)。

この場を借りて、許可をしてくださった Core Team の皆様、そして交渉にお力添えいただいたウィキメディア財団の中山純子さんに、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

9月20日の予定

9:00-9:45

9:00-9:45 はオープニングセッションです。どんな雰囲気で行われるのか楽しみです。

9:45-10:30

9:45-10:30 は “State of CEE 2024” という全員参加のセッションです。CEE(中央・東ヨーロッパのウィキメディアンたちの集い)の現状がシェアされるとのこと。非常に楽しみです。

CEE のロゴ。(Ivan25, CC BY-SA 3.0)

11:00-11:30

30分の休憩ののち、11:00 からは3つの部屋で同時にレクチャー等が行われます。ウィキメディアンたちは好きなものを選び、参加するというシステムです。

私は、11:00-11:30 は “How to influence national policy?” というレクチャーに参加しようと思います。講師は Maciej Artur Nadzikiewicz さん。ポーランドのオープンカルチャーに関連する政策について、同地のウィキメディアンたちがどのようなロビイングを行なってきたかについてのレクチャーです。EU のデジタルサービス法など、オンラインプラットフォームに対する規制がウィキメディア・ムーブメントにも影響を与えている現在、ボランティアのウィキメディアンたちがどのような動きをしているのか大変興味があるので、きちんと勉強してこようと思います。

講師の Maciej Artur Nadzikiewicz さん。(Emilia Pławska, CC BY-SA 4.0)

11:30-12:00

11:30-12:00 は、”Youth – the end or the future of Wikimedia?” というレクチャーに参加します。講師は Kacper Szymański さんと、ウィキメディア・ポーランド職員の Grzegorz Kopaczewski さん。レクチャーでは、若者をウィキメディアに参加させようとする取り組みが紹介されます。

他のオンラインプロジェクトでも同様だと思いますが、ウィキメディアは現在、若手編集者の確保に尽力しています。CEE ハブ、およびウィキメディア・ポーランドは特に熱心で、CEE Youth というグループを立ち上げたり、各種取り組みについてのブログ記事を書いたりしています。

私はもう「若手」と言われる年齢でもキャリアでもありませんが、大学時代に「早稲田Wikipedianサークル」を立ち上げたり、ウィキメディアン・オブ・ザ・イヤーの新人賞を(キャリア6年目で)受賞したりと、何かとユース関連のムーブメントには縁があるので、「元・若手編集者」としてサポートできることがないかという視点で聴講しようと思います。

講師の1人 Kacper Szymański さん。(Wiktor Zowczak, CC BY-SA 4.0)
講師の1人 Grzegorz Kopaczewski さん。(Emilia Pławska, CC BY-SA 4.0)

12:00-12:30

12:00-12:30 は “Pros and Cons of using Wikipedia in Class” に参加しようと思います。講師は Wikimedians of Albanian Language User GroupVyolltsa さん、Ritamaliqi さん、Aida Lumshi さんの3名。教育現場におけるウィキペディアの活用についてのレクチャーです。

メタウィキの [[Wikimedians of Albanian Language User Group/activities]] を参照すると、同グループは色々な活動を展開しているようです。教育現場におけるウィキペディアレクチャーは私もいくらか経験がありますが、リテラシー教育としてきわめて効果的である一方、事前準備と当日のサポートがかなり大変という感触があります。このようなロジについても意識しながらレクチャーを聞こうかと思います。

2024年にアルバニアのエルバザンの学校で行われた、ウィキペディアの編集クラス。(Vyolltsa, CC BY-SA 4.0)

12:30-14:00

12:30-14:00 は昼食タイム。色々な方とお話ししようと思います。

14:00-14:30

14:00-14:30 は “How to use Wikidata for GLAM institutions: Case Study for museums in Türkiye and person data” に参加します。講師は Nurdan Atalan Çayırezmez さん、Gonca Özger さん、Burcu Akşahin さん、Hakan Melih Aygün さんの4名。レクチャーでは、GLAM(美術館、図書館、公文書館、博物館)とウィキデータの提携事例が共有されます。具体的に取り上げられるのは Connecting Archive, Connecting People Project (CACP) と Wiki Meets Museums of Türkiye Project の2つ。恥ずかしながらどちらも知らなかったので、きちんと勉強してこようと思います。GLAM およびその典拠データとウィキデータの提携には非常に興味があるので、楽しみです。

“Connecting Archives Connecting People (CACP) Project: Wikidata Workshop” と題された動画。

14:30-15:00

14:30-15:00 は “Experiment, Fail, Learn: Innovative Strategies for Engaging Partner’s Staff in Wikipedia Editing” に参加します。講師はウィキメディア・ポーランドの職員 Kamila Neuman さん。ウィキメディアの協力機関のスタッフに、ウィキペディアを編集してもらう際の戦略や気をつけることが共有されるようです。

私自身、大宅壮一文庫や三康図書館、東京国立博物館など、日本の機関と提携してウィキペディアの編集イベントを開催することはあるのですが、当該機関のスタッフに実際の編集作業を教えたことはほぼありません。編集イベントの開催にあたって知っておくべき最低限の方針・ガイドラインについてはお伝えしますが、実際の編集作業を行なっていただくのはあくまでイベント参加者で、スタッフにはレファレンス等でご協力いただくことが多いです。

自分ではほぼ経験したことがない作業についてのレクチャーを実際に聞けるのはありがたいですね。日本ではどの部分を応用できるかを意識しながら聞こうと思います。

講師の Kamila Neuman さん。(Kamila Neuman (WMPL), CC BY-SA 4.0)

15:00-15:30

15:00-15:30 は “Fiscal sponsorships for smaller Wiki communities” に参加します。講師は Arianit Dobroshi さん。レクチャーでは、ウィキメディアンのグループを、ウィキメディア財団の公認団体「ウィキメディア運動提携団体 (Wikimedia movement affiliates)」とするメリットが説明されるとのこと。

実は私は、タスクの増加等を避けるため、自分が所属するグループが「提携団体」にはなってほしくないと思っており、現時点で日本唯一の提携団体 “Wikimedians of Japan User Group” にも参加していません(ただししばしば、外部のサポーターとして協力はしています)。このように、私は提携団体というスキームの積極的な支持者ではありませんが、だからこそ実際に提携団体がどのように機能しているかを知るのは重要だと思います。提携団体についての基本的な情報を事前に改めて確認した上で、臨もうと思います。

ウィキメディア運動提携団体 のロゴ。(Public Domain)

16:00-16:30

16:00-16:30 は “OpenStreetMap and Wikidata in Disaster Times” に参加します。講師は Orkut Murat Yılmaz さん。タイトルのとおり、災害時のオープンストリートマップ、ウィキデータの活用についてのレクチャーです。

Orkut Murat Yılmaz さん。(OrkutMuratYilmaz, CC BY-SA 4.0)

16:30-17:00

16:30-17:00 は “CEE Youth Group: one year on” に参加します。講師は友人の Nikos Likomitros さん、Mari Avetisyan さん、Y. Caner Özyayıkçı さん。このレクチャーでは、CEE Youth という若手グループの活動が報告されます。こちらについては2024年8月にポーランドで開催されたウィキマニアでも発表があったので、違いを意識しつつ聞こうと思います。

CEE Youth の会議の様子。(Jan Beránek, CC BY-SA 4.0)

17:00-17:30

17:00-17:30 は “Employer Branding Without a Budget: Attracting Volunteers and Staff to Your Affiliate” に参加します。講師は Jolanta Drzewakowska さん。レクチャー内容は、ボランティアたちに「ウィキメディア運動提携団体 (Wikimedia movement affiliates)」に参加してもらうためにはどうすればよいかというもの。提携団体の魅力が言語化されるセッションとなりそうですね。

17:30-18:00

17:30-18:00 は全員参加の “Wrap-up” です。どうなるか予想がつきませんが、楽しもうと思います。

18:00-20:00

18:00-20:00 は夕食タイムです。いろいろな人とおしゃべりできればと思います。

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