ウィキペディアンのお茶会

先日、ブログ「70歳のウィキペディアン」を運営する、Wadakuramonさんとお茶会をしました。本稿では、そのおしゃべりの模様を紹介します。

Wikimedia Commons [[File:Red Tea.jpg]] (Jubair1985, CC-BY-SA 4.0) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Red_Tea.jpg

ブログの書籍化について

Eugene Ormandy

ブログの書籍化、おめでとうございます!

Wadakuramon

ありがとうございます。2023年の秋ごろに発売されることになりました。

Eugene Ormandy

ウィキペディアンの個人史が日本語で出版されるのは、非常に有意義だと思います。ウィキペディアの研究の発展にも大きく寄与するかと。なお、書籍には、オリジナルの記事も収録されるのでしょうか?

Wadakuramon

はい。ブログにはアップしなかった記事を収録します。

Eugene Ormandy

楽しみにしています!

編集する題材の選び方について

Eugene Ormandy

Wadakuramonさんは、クラシック音楽に関するウィキペディア記事を多数執筆されていますが、最近は文学関連の記事も精力的に手がけていますよね。

Wadakuramon

そうですね。日本経済新聞などの書評で紹介された本を読んで、興味を持った作家のウィキペディア記事を編集しています。特に、日本語情報がほとんどない海外の作家のウィキペディア記事を翻訳することが多いですね。

Eugene Ormandy

日本語で得られる情報が増えるのは、とても良いことですよね。Wadakuramonさんは様々な言語をお使いになりますが、何ヶ国語程度勉強されたのでしょうか。

Wadakuramon

学校できちんと習ったのは英語とドイツ語。ほかにフランス語、ロシア語、トルコ語をすこしかじりました。その他のヨーロッパ言語は図書館の仕事でたくさん接しました。英独仏語がわかるとヨーロッパの言語はある程度類推できます。私は司書として働いていたのですが、「語学は司書の武器」という教育を受けていたので、様々な言語を勉強しました。ちなみに Eugene さんはどの言語をお使いになりますか?

Eugene Ormandy

私は第一言語が日本語で、英語はなんとか必要最低限、といった感じですね。ドイツ語とフィンランド語も少しだけ勉強しましたが、挨拶くらいしかできません。恥ずかしながら、言語の勉強はあまり得意ではないですね……。

Wadakuramon

ぜひ色々と学んでみてください。世界が広がりますよ。

Eugene Ormandy

そうですね。好きな音楽家が使っている、フィンランド語、オランダ語あたりを学ぼうと思います。がんばります。

ウィキペディア記事の長さについて

Wadakuramon

ウィキペディアはあくまで百科事典ですから、微に入り細を穿つ長大な記事よりも、ほどよい長さの記事を書こうと私は思っています。

Eugene Ormandy

記事の長さは難しい問題ですよね。私もよく迷います。ただ、ウィキペディア最高ランクの記事である「秀逸な記事」に選出された [[カアバ]] は、かなり良いサンプルだと思います。6万バイトという、秀逸な記事にしては短い分量で、超重要項目についてまとめていますからね。

Wadakuramon

これは良い記事ですね。イスラム教は日本人には馴染みが薄いので、その意味でもすばらしいです。

Eugene Ormandy

この記事の大部分を執筆したのは、早稲田WikipedianサークルTakenari Higuchi さんなのですが、学生のうちからこれだけの記事を書けるのは本当に凄いなと思います。

Diff への要望

Eugene Ormandy

私はウィキメディア財団のブログ Diff に記事をいくつか寄稿しているのですが、Diff について何か要望などはありますか。

Wadakuramon

記事の一覧機能がほしいなと思いますね。たとえば 、Diff の Eugene Ormandy さんのページにアクセスすると、記事が9本しか表示されず、それ以前の記事は “Older posts” というボタンをクリックしないと確認できません。

Eugene Ormandy

ご指摘ありがとうございます。そういえば、Wadakuramonさんは人名索引や『専門情報機関総覧』といった「一覧」に関するブログ記事も書かれていますよね。

Wadakuramon

ええ。私は司書なので、一覧が欲しくなる性分なのです。一覧があれば必要な情報に早く確実にアクセスできるので。「検索すればみつかる」といっても、どういう言葉で検索したらいいかは、一覧をブラウジングすることでわかったりしますし。

まとめ

様々なテーマについてお話しできた、楽しいお茶会でした。Wadakuramonさん、ありがとうございました。なお、Wadakuramonさんには後日、より体系的なインタビューを行い、その模様を Diff の記事として公開する予定です。どうぞお楽しみに。