本稿では、ツイッターというSNSにおける、日本語版ウィキペディア利用者の言動について簡単に振り返ります。本稿が公開された時点で、ツイッターというものが存在するのか心許ないので、大急ぎでまとめています。
本稿を執筆した背景
この原稿を書き始めたのは、2023年7月24日です。この日は「ツイッターのロゴが『青い鳥』から『X』に変わる」というニュースが飛び込んできました。ロゴ変更なんて大したことない話かもしれませんが、個人的には「ツイッターという文化がいよいよ消えるのだなあ」と感じました。というのも、イーロン・マスクによる買収後、ツイッターの変化は凄まじく、世界中が混乱しているからです。
- 中藤玲「Twitter、ロゴを青い鳥から「X」に変更へ」『日本経済新聞』2023年7月23日。
- 奥平和行「米Twitter、法人格が消滅 「X」と合併」『日本経済新聞』2023年4月12日。
諸行無常を感じたのも束の間、「ツイッターにおける言論活動や、ツイッターから生まれた多様な文化を今のうちにアーカイブしておかないと、歴史が忘却の彼方に消えてしまう」という強い危機感を抱きました。
そこで、ツイッターにおける日本語版ウィキペディア利用者の行動について、大急ぎでまとめることにしました。
ハッシュタグ jawp
ツイッターを利用する日本語版ウィキペディアの利用者たちは、jawp というハッシュタグを用いて、ウィキペディアに関するツイートをしていました。jawp とは Japanese Wikipedia の略称です。
「新しい記事を書きました」「イベントを開催しました」という報告から「このウィキペディア記事はどうかと思う」という批判、さらには「引用リツイート」という機能を用いた「ウィキペディアに言及しているこのツイート、多分ウィキペディアの方針を理解してないよね」といったものまで、ツイートの内容は様々でした。
また、ハッシュタグ jawp のツイートを受けて、ウィキペディアが修正されることもしばしばありました。さらには、日本語版ウィキペディア上のおしゃべりスペース「井戸端」で、ハッシュタグ jawp のツイートが話題になることもありました。
(引用者注:問題を報告するためのページを作成してはどうかという提案について)個人的には報告だけであればTwitterのハッシュタグ#jawpあるいは、#jawp-○○を付けて投稿といった簡易なものでいいんじゃないかと思います。–2402:6B00:A64E:E000:90B0:D5D9:71C0:22B8 2023年1月21日 (土) 14:00 (UTC)
日本語版ウィキペディア [[Wikipedia:井戸端/subj/「Wikipedia:問題を報告する」の策定提案]] 2023年3月28日 (火) 11:07 (UTC) 版。2023年7月24日アクセス。
念のために申し上げておきますと、最近Twitterのハッシュタグ「#JAWP」で話題になっていた人物記事ではありません。–Assemblykinematics(会話) 2020年9月18日 (金) 23:40 (UTC)
日本語版ウィキペディア [[Wikipedia:井戸端/subj/非著名人の人物記事における逮捕・起訴歴について]] 2020年9月26日 (土) 23:30 (UTC) 版。2023年7月24日アクセス。
ツイッターで育った早稲田Wikipedianサークル
私は2019年に「早稲田Wikipedianサークル」という、学生ウィキペディアサークルを立ち上げたのですが、サークルの発展にあたり、ツイッターは大きな役割を果たしました。ハッシュタグ jawp で様々なツイートをしたことで、ウィキペディアンの皆さんから認知していただけましたし、イベントなどで直接お会いした方から「あのツイート良かったです」と言われることもありました。また、新入部員はほとんどツイッター経由で入部しました。
なお、ウェイバックマシンでツイッターのアーカイブを作成することが可能だった時代に、ウィキメディア財団のブログ Diff へ寄稿した「早稲田Wikipedianサークル活動史 (2019-2022年)」という記事には、私が作成したツイートアーカイブをいくつか貼っていますので、興味がある方はご覧ください。
まとめ
ツイッターというSNSにおける、日本語版ウィキペディア利用者の言動について、大急ぎでまとめてみました。ツイッターにおけるウィキペディア文化については、ぜひ色々なウィキペディアンにアーカイブを作成してほしいところです(作成場所の候補は多々ありますが、私はウィキペディアの利用者ページが一番いいと思います)。本稿をきっかけとして、1つでも多くのアーカイブが生まれれば幸いです。
In this world, it’s just us
You know it’s not the same as it was.
Harry Styles “As It Was”