トーゴ国内の政治について書いたウィキペディアンに感謝: 滝口怜奈さん

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滝口怜奈さんはウィキペディアでトーゴ国内の政治状況について知った。この写真は日本の大阪にある四天王寺の敷地内で撮影されたもの。
“Shitennoji Temple Photo” by Amivi1, under CC BY-SA 4.0.

日本 生まれの滝口怜奈さんは、2010年のトーゴ 大統領選挙についてのウィキペディアの記事がなかったら、トーゴにいる友人たちのことが心配でたまらなかっただろうと語る。

滝口さんは、世界中の企業に学生をインターンとして送り出す国際的な学生団体を通じ、トーゴでボランティアをした。アフリカで働くことに興味があり、国際協力における開発分野のスキルを磨くため、トーゴでのインターンシップに参加したそうだ。トーゴでエイズの予防啓発を行う現地NGOで6ヶ月間働き、2009年1月にインターンシップを終えた。2009年8月にはトーゴを再訪し、メールやSNSでもつながりのあった友人たちと絆を深めた。

その後まもなく、滝口さんはトーゴで選挙があることを知った。友人たちはあまりそのことを言わなかったが、滝口さんは心配だった。暴動の可能性があるとのニュース記事を見つけ、心が痛んだ。「心配になって、他の記事も検索してみました。でも、ネット上で深い情報は見つけられなかったんです」と滝口さんは言う。「でもある時、ウィキペディアで一本の記事 を見つけました。本当に、本当にびっくりしました。一体この世界の誰がこんな情報を持っていたんだろう、誰がこの情報を集めてシェアしたんだろうと思いました。感動しました」

滝口さんによれば、ウィキペディア以外でトーゴ大統領選について信頼性のある情報を見つけるのは信じられないほど難しかったと言う。そのウィキペディアの記事がどれだけの安心を与えてくれたかを考え、寄付とメッセージを送ることにしたそうだ。他の多くの日本のウィキペディアユーザーと同じように、滝口さんは大学の課題や普段の検索など多くの場面でウィキペディアを活用している。

ウィキメディア財団への寄付の際、滝口さんは以下のメッセージを添えた。

「私はトーゴのNGOで何ヶ月間かボランティアをしていました。帰国後の2010年にトーゴで大統領選挙がありました。現職の大統領と対立候補との攻防が激しく、議論や、暴動まで起こっているというような悪いニュースを聞きました。トーゴは前回の選挙で激しい暴動がありたくさんの人が殺されたのを知っていたので、今回も同じことが起こるのではないかと心配でした。現地で実際には何が起こっているのか知りたくて、できるだけ多くのニュースサイトをチェックしてみましたが、主要なサイトにはほとんど情報がないことに驚きました。色々と検索をした後に、とうとうウィキペディアで「2010年トーゴ大統領選挙」という記事を見つけました。その記事はとても包括的で詳しくて、最新の情報が載っていました。他のどのニュースサイトよりもたくさんの情報が載っていたんです」

滝口さんは現在東京に住み、視覚障害者支援機器のメーカーに勤務している。今でも、ウィキペディアとあの記事を更新してくれたウィキペディアンには深く感謝しているという。

「勉強や、普段の生活や、そして特にあの時、色々なことで助けてくれたウィキペディアにとても感謝しています。ありがとう!」

紹介: Yoona Ha (ウィキメディア財団コミュニケーションインターン)
インタビュー: Victor Grigas (ウィキメディア財団ストーリーテラー)

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