【対談】世界史を愛するウィキペディアン

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この記事では、世界史のウィキペディア記事を作成・翻訳するネイさんと McYata さんにインタビューを行い、これまでに作成した記事や、ウィキペディアを編集するモチベーション、ウィキペディアに参加した経緯などについて語っていただきました。歴史・語学の勉強が好きな方や、ウィキペディアに興味のある方はぜひご覧ください。

また、この記事を読んで「ウィキペディアを編集してみたい!」と思った方は、[[Wikipedia:ウィキペディアへようこそ]] をご確認の上、ぜひアカウントを取得してみてください。操作方法などの質問があれば、[[Wikipedia:利用案内]] もしくは稲門ウィキペディアン会のツイッターアカウントまで!

登場人物

ネイ

イギリスや香港に関する記事を作成しているウィキペディアンです。数多くの「良質な記事」を作成する一方、日本語版ウィキペディアの管理者の一人としても活動されています。ネイさんが作成された参考文献集  [[利用者:ネイ/参考文献]] は、歴史好き必見の大変充実した内容です。

主な記事

McYata

世界史に関する記事を数多く翻訳しているウィキペディアンです。手がけた記事の数はなんと300以上。[[ムハンマド1世 (ナスル朝)]] といった人物記事から、[[動物の爆発]] といった一風変わった記事まで、幅広い記事を翻訳しています。

主な記事

Eugene Ormandy

この記事の執筆者および対談司会。普段は喫茶店や指揮者についてのウィキペディア記事を作成しています。

主な記事

活動分野

Eugene Ormandy

本日はよろしくお願いします。まずはおふたりの活動分野について教えてください。

ネイ

私は主に、イギリスの貴族、議員についての記事を作成しています。また、日本語版ウィキペディアの管理者の1人として、出典テンプレートの整備や、迷惑アカウントのブロックなども行っています。なお、管理者業務もボランティアなので「気づいたらやる」程度です。

McYata

私はヨーロッパ史に関する記事を翻訳しています。近世ヨーロッパ史の専門研究をしているので、その背景知識を活かしています。

Eugene Ormandy

おふたりとも数多くの記事を作成されていますが、題材はどのように選んでいるのでしょうか。

ネイ

完全貴族名鑑』『英国下院史』といった、イギリスの貴族・議員についての事典を参照し、そこで紹介されている人物の記事をひたすら作成しています。これらの事典は読み物としても大変面白く、執筆のネタは山ほどあります。

なお、インターネットで閲覧できるイギリス関連の事典は、私の利用者ページ [[利用者:ネイ/参考文献]] にまとめています。

McYata

私の場合、決まった選び方はありませんね。面白いなと思った記事があれば、出典が明記されていることを確認した上で日本語に翻訳します。

モチベーション

Eugene Ormandy

続いて、ウィキペディアを編集するモチベーションを教えてください。

ネイ

わたしがイギリスの国会議員の記事を書くようになったきっかけは『英国議会史』([[w:en:The History of Parliament|The History of Parliament]]、1964年 – )です。『英国議会史』で用いられた研究手法はプロソポグラフィといい、特定のグループに所属する人物の経歴を調査することで、統計資料として活用したり、人物の相互関係を分析したりする手法です。このような調査に利用できる資料は多いものの、各所に散らばっており、それらを用いて記事を書くことで資料探しの手間が減らせるという思いがモチベーションですね。

『英国議会史』Wikimedia Commons [[File:History of Parliament volumes at Senate House History Day 2017.jpg]] (Philafrenzy, CC-BY-SA 4.0) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:History_of_Parliament_volumes_at_Senate_House_History_Day_2017.jpg

McYata

私は対照的です。網羅的に記事を整備するのではなく、全く日本で知られていないものをとりあえず1つ訳してみて「こんな世界があるんだ!」という驚きを共有したいと思っています。特に、マイナーな分野や無視されている分野について、ウィキペディア記事が1本でもあると、認知度も高まるのではないかと考えています。また、自分の知識が広がることにもやりがいを感じますね。

ウィキペディアを始めたきっかけ

Eugene Ormandy

おふたりは、どのようなきっかけでウィキペディアの編集を始めたのでしょうか。

ネイ

2007年から始めました。その頃に編集していたのは、数学や化学に関する記事ですね。積極的に関わるようになったのは2017年です。何かお手伝いできることがあればと思い、日本語版ウィキペディアの管理者に就任したのもこの頃ですね。

McYata

私がウィキペディアの編集を始めたのは2014年です。マンガの記事などを編集していましたが、そのころのことはあまり覚えていません。2015年ごろからコンテンツ翻訳という機能を使うようになりました。翻訳した記事が積み重なっていくのが嬉しかったですね。

Eugene Ormandy

ちなみに、ウィキペディアを始めた時、周りにウィキペディアンの友人はいらっしゃいましたか?

ネイ

いなかったですね。

McYata

私もいなかったです。

編集方法を身につけた方法

Eugene Ormandy

おふたりは、どのようにウィキペディアの編集方法を身につけたのでしょうか。

ネイ

ウィキマークアップや記事の書き方は、他のウィキペディア記事から学びました。なお、ウィキペディアの編集を始めた時にはすでにプログラミングの知識があったため、ソースコードを書くこと自体には慣れていました。

McYata

私はウィキペディアに参加する以前から、TRPGのようなオンラインのゲームコミュニティで「ウィキ」を使ったウェブページ編集を行っていました。

今後の展望

Eugene Ormandy

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

ネイ

日本語版ウィキペディアが良くなるお手伝いができればと思っています。また。より多くの人に、イギリス史の記事に関わってほしいと思っています。

McYata

私は今まで作成した記事をブラッシュアップして、良質な記事にしたいですね。

まとめ

対談で最も印象に残ったのは、おふたりの対照的なモチベーションでした。ひとつの分野の記事を網羅的に整備したいネイさんと、様々な分野の記事を翻訳することで、自分の知識を増やすと同時に、日本語圏における知の世界を広げたい McYata さん。おふたりの情熱に感銘を受けると同時に、このように対照的な2名の編集者が共に活躍できることこそ、ウィキペディアというメディアの面白さだなと感じました。

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