5700日超、ウィキペディア生活 – 15年間、編集を続けた人に会ってみよう

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ジョニー・オーさん Johnny Au の人生はウィキペディアなしには成り立ちません。2007年11月11日以来、英語版ウィキペディアの編集者として活動を始め、この言語版で連続した編集履歴が最長のウィキペディアンになりました。長年、無料の知識に休まず貢献したすばらしさを讃えて今月、取材をしました。

a yellow barnstar leaving a yellow trail as it flys through a white background.

ジョニー・オーさんがウィキペディアに最初に投稿したのは2006年で、そのうち編集は習慣になっていきました。毎日、編集をするのが日課で、「朝起きたら編集、寝る前も編集して、履歴が途切れないようにしています」と語るオーさん。

長大なウォッチリストを毎日チェックして、大好きな地元トロントの記事も確認します。スポーツチームから美術館、トロントの交通網 – トロントに関係があることなら集中して取り組めるし、関連のあるウィキペディアの記事を丁寧にウォッチしています。もちろん、お気に入りのトロント地下鉄パブリックアートの記事(Toronto subway public art)は、欠かさず読み返しています。

得意分野は細かなメンテナンス系の編集です。綴りや用語の訂正、荒らしの巻き戻し、画像の追加、間違いを直すこと。こういう細かい作業を淡々と続ける疲れ知らずの貢献こそ、ウィキペディアの品質を保つ上で欠かせません。さらに誰も気づかないわけでもないのです。トロント・ブルージェイズの記事が荒らされてもすぐに修復しているのがオーさんだとメディアも気づき、地方新聞『トロント・スター』に取材記事(英語版)が載りました。

ウィキペディア愛が日課の編集から芽生えるとそれを純粋に貫いて、無料の知識に捧げる情熱を原動力に進んできました。来る日も来る日も続けて15年(そして今日も)。英語版ウィキペディアの編集は1日平均10回、累計 6万4千回、日数にして5700日という記録になりました。

ジョニー・オー肖像、Johnny Au撮影、CC BY-SA 3.0

これまで編集履歴が不可抗力で途切れそうになったこともなかったわけではありません。ウィキペディアの歴史上、「2012年のサイト停止」(英語版)という重大な瞬間が訪れたとき、まるで金属音のきしみをあげるように記録が止まりかけたのです。この時、ウィキペディアのコミュニティは業務に有害な可能性があるとみなした法改正(英語版)に抗議しようと決め、英語版ウィキペディアを24 時間アクセス不能したため、閲覧ばかりか編集もできなくなりました。サイト停止は東部標準時間の深夜からでしたが、編集履歴は世界標準時を基準に集計されていて、2つの時間帯の時差は5時間。これを味方につけたオーさんは、日課の編集作業を維持でき、結局、ウィキペディアの常連編集者として毎日、編集するチャンスを失わずに済んだのです。

トロントはオーさんにとって今も変わらず最愛の編集テーマですが、本物のウィキメディアンらしくトロントに限定せず幅広い分野に興味があります。ピアノも演奏するし科学も深く掘り下げ、言語学や地図作成も、公共交通機関や天文学も、スポーツも好きです。またデジタル・アートやトロント市内の建設中の建物その他、構造物の写真撮影にも熱心です。

ウェブサイトの大多数と異なり、ウィキメディアのプロジェクト群はずっと信頼できる、それらのプロジェクト群は利用者が作成しているけれど。世界の人にそれを理解してほしいと願うオーさんオーさんは言います。

イデオロギーを理由に、ウィキメディアのプロジェクト群なんか信じるものじゃないという人は大勢いて(特に新型コロナウイルス感染症の世界的流行、アメリカの2020年大統領選挙の最中に高まった声)、誤った情報や偽情報だらけで完全にインチキなウェブサイトを好んで読み、クリックベイトに晒されていること。世間の人を相手に、ウィキメディアのプロジェクト群は偏っイデオロギーを下敷きにしていないと納得させるのは大変な課題です

また同時に、疫病のパンデミックや論争の多い選挙前の遊説期間に直面したとき、誤った情報に対するコミュニティの回復力は、実は私たちの現実世界でも力があると証明されています。

編集者同士として何かアドバイスはありませんかと尋ねてみました。「ネバー・ギブアップ(諦めないで)。善のために戦いましょう。誤情報や偽情報と戦うのは私たちですから。

」オーさんの貢献に感謝しつつ、百年先も(もっと先まで)、編集を日課にしていくよう、お祈りしています。

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