2022年3月にウィキペディアで「ウクライナの文化外交月間」をやっていたので、直前の2月からロシアによるウクライナ侵攻が始まったこともあり、参加して「リディア・リプコフスカヤ」の記事を出しました。このイベントはたまたまこの時に開催されていたのかと思ったら、どうも毎年3月にあるようです。イベントページで確認してみると、2021年から開始されたのがわかりました。2023年は参加しそびれたのですが、またやってみようと今年のイベントページを開いてみました。
前回と同じように「おすすめ記事の一覧」があるので開くと、映画、音楽、演劇、文学、建築、一般事項、重要事項、という7つのジャンル別に、人名や項目名などがリストアップされています。最近は文学づいているので「文学」をクリックし、上から3人目の女性作家「タマラ・ドゥーダ」を選んでみました。リンクされている英語版Wikipediaを開いてみると、輝くような笑顔の女性の画像が目に飛び込んできました。その存在感に引き込まれ、本文をみると適度な量で出典もついていたので、早速英語版からの翻訳に挑戦しました。
全く知らなかった人物でしたが、訳していくといろいろなことがわかってきました。彼女は1976年生まれなので現在48歳です。翻訳の仕事をしていましたが、2014年からのロシア・ウクライナ戦争に志願兵として従軍しています。ウクライナの人にとって現在の戦争は2014年から始まっている、ということがよくわかりました。また「volunteer」という動詞を最初は「ボランティア活動をする」と訳したのですが、「志願兵になる」という意味もあると後で気づき、そちらが相応しいだろうと訳しなおしました。
彼女は前線からFacebookで状況を伝え始め、多くのフォロワーがついたそうです。そうしたことも日本の一般の報道では伝わっていなかったので、なるほどと思いました。(私が知らないだけでしょうか?そんなことはないでしょう。)そして戦場で出会った男性と後に結婚し、作家になりました。
2019年の第1作『娘』は、自身の従軍体験を元に書かれたようで、出版後に英語やポーランド語など何か国語にも翻訳されています。また2022年にはウクライナでは最高の文学芸術賞と言われる、シェフチェンコ・ウクライナ国家賞を受賞しています。賞のサイトを見てみたら2024年も賞が贈られているようで、こうした文化的な活動が続いているのを知るのは嬉しいです。普段のニュースでは戦争のことしか伝わってこないので。ドゥーダが2021年に出した第2作も戦争を背景にしており、なかなかの意欲作のようです。翻訳は順調に済んだので、「タマラ・ドゥーダ」を公開しました。
前回はイベントページの参加者登録はしなかったのですが、今回はせっかくなので登録してみました。日本からの参加者は数少ない様子でした。皆さんもぜひ参加してみませんか。
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