児童書専門店でのWikipedia講座がWebメディアに登場

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2024年5月27日、東京・神保町にあるBook House CafeでWikipedia講座が開催され、その様子がWebメディア『IP mag』に掲載されました。『IP mag』は日本のスタートアップである株式会社Wunderbarが2023年11月にリリースしたWebメディアで、IP(Intellectual Property = 知的財産)の可能性を広げることを目的にしています。

記事ウィキペディアン海獺さんが『もったいないばあさん』真珠まりこさんの記事を充実させるイベント|IP mag 2024.06.03

この日の講師はウィキペディアンの海獺さんで、テーマは「絵本関連のウィキペディアを充実させよう <真珠まりこ先生編>」。真珠まりこさんは『もったいないばあさん』で知られている絵本作家です。この絵本は2004年に初めて出版されて以来大きな反響を呼び、その20周年記念イベントの一環として、Wikipediaの「真珠まりこ」さんの記事を充実させようと、児童書専門店Book House Cafeで企画されました。

神保町のブック・ハウス・カフェでのWikipedia講座、2024年5月27日(株式会社Wunderbar, CC-BY-SA 4.0)

記事の内容

『IP mag』の記事はまず日本でのWikipediaの状況と講師の紹介のあと、講座の内容に沿ってその内容が記載されています。

  1. 出版業界のシェア率に対してWikipediaには児童書関連の記事が少ない
    Wikipedia記事「ミリオンセラーの絵本一覧」の中で、まだ記事の無い赤字の絵本がかなりあることが示されました。講師は「ウィキペディアンは男性のほうが多いから、女性のほうが興味を示す絵本、児童書の記事がすくないのではないか」と仮説をたてています。
  2. インターネット上の男女平等の実現を図る“WikiGap”
    Wikipedia上に女性による女性の記事を増やそうという、スウェーデン発祥のWikiGapについて、また知識を深めるとっかかりとなるWikipediaの特徴について、YouTubeなども使いわかりやすく紹介されました。
  3. Wikipediaには本人が公表していないことは原則載せない
    画像の著作権を巡って「フェアユース」の考え方が紹介されたあと、存命人物の記事を書くときにはプライバシーに細心の注意を払う必要があることが強調されました。
  4. 本人の公式サイトは出典にふさわしくない
    真珠まりこ」さんのWikipedia記事を例に、出典記載の意義や方法が説明されました。
  5. Wikipediaはみんなで作る百科事典
    Wikipedia記事の評価について、また対象の網羅的情報をきちんと見やすく整理して掲載するコツが披露されました。
  6. ネットインフラのない環境にもWikipediaは届けられる
    海外に目を広げ、例えばWikipediaのデータをタブレットにコピーして伝えることで、ネットインフラのない環境でも平等に知識や教育の機会を届けられることが示されました。

そして最後に、子どもの画像を公開するリスクに警鐘をならす動画が紹介されました。SNSが発達した現代において、こうしたリスクに常に注意を払う必要があることを、参加者は感じ取ったことと思います。

コメント

なにより、こうしたイベントがきちんと報道されたことを喜ばしく思います。そしてこのイベントによって、「真珠まりこ」さんのWikipedia記事は大きく成長しましたが、願わくは日本語版だけでなく、他言語版にも広く翻訳されることを期待します。

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