かつて私たちedit Tangoの主催するウィキペディア勉強会でウィキメディア運動に目覚め、その後、自らウィキメディアタウンを推進するボランティア活動を始めた寄稿者に、user:Tgogogoがいます。「よさのWikipediaプロジェクト」という組織名で地域の様々なコミュニティにウィキメディア運動の啓発を行っている彼の紹介で、私たちが京都府福知山市大江町の山村集落・毛原地区のウィキペディアタウンに協力したのは、2022年の春から夏にかけてのことでした。
この毛原地区での全4回の「Wikiepdia勉強会」をきっかけに、その後2つのプロジェクトが福知山市で花開きました。ひとつは、毛原のエディタソンに参加していた地元公立大学の教授のもとで、その後、毎年実施されるようになった「ウィキペディアタウン講座」。もうひとつは、毛原地域の廃校・美鈴小学校跡地を活用した地域イベント・みすずフェスタでの「ウィキペディア見本市」でした。
みすずフェスタ
(Gyasuk0, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
本項では、2024年6月1・2日に開催された、第2回みすずフェスタにブース出展した「ウィキペディア見本市 in 大江」について紹介します。
ちなみに隣のブースは、毛原地区の企画の後、私が毎年ウィキペディアタウンについて教鞭をとるようになった前述の大学教授のゼミの学生たちによる出展でした。彼らは私たちのブースも見学して後述のウィキペディア認知度アンケートに協力し、ブース設営や撤収の作業も手伝ってくれました。
edit Tangoイベント2024 / №4 京都府福知山市大江町 旧みすず小学校
福知山市立美鈴小学校は、京都府福知山市大江町にある2021年3月に閉校した小学校です。地域のすべての人に縁ある小学校という拠り所を後の世代にも繋いでいきたいと、毛原地区でのウィキペディア勉強会を事務局として支えた地域の人々によって、2023年6月新たに誕生した地域イベントが「みすずフェスタ」でした。
第1回目の「みすずフェスタ」には約1,200人の地域の人々が来場し、「ウィキペディア見本市」のブースでデモンストレーションとして新規立項した美鈴小学校のWikipedia項目が徐々に加筆されたり、その場で撮った写真をWikipediaに挿入していく過程を興味深く見学してくれました。
また、「ニコニコ大百科」という別のwikiの管理人をしているという隣市在住の方が、「Wikipediaにも前々から興味はあったので気になっていて……」と、訪ねてこられ、この方は後に私たちの勉強会にも参加し、新規項目を立項する寄稿者ともなりました。
クイズでWikipediaに親しむ来場者たち
(漱石の猫, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
今回、第2回目の「みすずフェスタ」での「ウィキペディア見本市」は、地元・大江町に活動拠点をもつuser:Gyasuk0がプロジェクトを引き継ぎ、様々な参加型企画を考案し、顔見知りの高校生などにも協力してもらいながら、Wikipediaの普及を図りました。彼女がWikipediaの普及のために用意したツールは、次のようなものです。
- 思わず足を止めて見入ってしまう、ウィキペディアタウンとedit Tangoの紹介動画(約7分)
- コレクター心を刺激する、Wikipediaカード(4種類)
- 子どもも足を止めたくなる流行りのアニメをお題に使った、Wikipedia 4択クイズ
- 思い出話に花が咲く、Wikipediaに書きたい大江町のものごとを提案しあう地図作りコーナー
- 誰でも簡単にウィキメディア・デビューできそうな気になれる「Let’sウィキペディア!」ポスター
いずれも、多くの来場者の関心を惹きつけ、笑顔のあふれるブース出展となりました。
(Gyasuk0, CC0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
このほか、私からは、ウィキペディア・ストアやAmazon.comで購入した「ウィキペディア・ワード・サイコロ・ゲーム」や「The Game about Wikipedia」などのゲームを並べ、図書館総合展ウィキペディア展覧会でも配布している資料や「ウィキメディア認知度アンケート」を用意しました。また、モニターに繋いだパソコンで実際のWikipediaやWikimedia Commonsの編集画面を見せ、来場者からの質疑や相談に応じました。
初回企画者のuser:Tgogogoや他のedit Tangoメンバーも応援に駆け付けてくれ、近況を報告しあい、各々が関わっている今後の企画を互いに相談したりして、忙しなくも楽しく充実した2日間となりました。
私たちのブースには、多くの地域の人々がふらっと立ち寄ってクイズやアンケートに回答したり、Wikipediaカードをもらってくれました。地元の市議会議員や隣県の民間団体の関係者など、何人かは特に興味深く質疑を繰り返し、少なくとも3人の来場者が「自分も書いてみたかった題材があるので、これで編集を頑張ってみる!」と、私たちの作成した編集マニュアルや資料を持ち帰りました。
Wikipedia編集は、個人がそれぞれの意思で参加するものですから、私たちは、私たちがその第一歩に関わったこの人々のアカウント名や編集したい題材が何なのかを、あえて知りたいとは考えていません。私たちのアウトリーチ活動で出会ったみなさんが、題材に敬意をもち、他の編集者に対して紳士的であり、誠実な編集活動を継続していく理想のウィキペディアンとなっていくなら、いずれ自然とWikipediaのなかで存在感を発揮し、再び私たちの前に現れることでしょう。私はその日を楽しみに待ちたいと思います。
ウィキペディア見本市 in 大江
(漱石の猫, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
ウィキペディア見本市 in 大江 のまとめ
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(漱石の猫, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
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