コミュニティ要望リストを使い要望を共有してください

(オリジナルは15 July 2024 by Jack Wheeler, Lead Community Tech Manager (JWheeler-WMF))

ウィキでの編集が簡単になる新しいツールや機能があればいいのに、と思ったことはありませんか？ ウィキメディアのプロジェクト群が成長し繁栄するにはボランティアが執筆、引用、アップロード、共同作業を簡単に、言語を超えて行えるようにするソフトウェアが必要です。ウィキメディア財団の各プロダクトチームは年間を通してソフトウェアの構築と保守を行っており、改良を構築、テスト、提供するためにボランティアとの協力を必要としています。そこでウィキメディア財団は従来存在した、技術に関する要望やアイデアについてのチャンネルの一つを再開しました: Community Wishlistです。

コミュニティ要望リストは様々なウィキがどのように機能するかを改善するためのアイデア（要望、wish）をボランティアが共有するためのウィキメディアのフォーラムです。以前のものとは異なり、要望リストは年中オープンでボランティアはどの言語でも要望を投稿できます。要望リストはボランティアが遭遇するプロダクトや技術的な課題を反映し、開発者、デザイナー、エンジニアが利用者と協力して解決策を構築するための場となります。要望が投稿されるとウィキメディア財団のチーム、ボランティア開発者、ウィキメディア提携団体が公開された要望を検討し、構築する分野を選択します。

ボランティアはコミュニティ要望リストに「投稿」「投票」「構築」の3つのレベルで参加することができます。

1. 要望を投稿する: 新しいコミュニティ要望リストではボランティアがウィキテキストとビジュアルエディターのどちらでも、好きな言語を使って要望を共有することができます。ボランティアはいつでも好きなだけ要望を投稿できますが、メタウィキにログインしている必要があります。始め方は以下の通りです:

• コミュニティ要望リストのホームページ Community Wishlist に移動し、「要望を投稿する」をクリックし、以下の必須項目を入力してください。
  • 名前:あなたの要望の名前
  • 詳細:あなたが解決したい問題
  • 種類:機能のリクエスト、バグ報告、システム変更、その他
  • プロジェクト: その要望はどのWikiプロジェクトに関連しますか
  • 影響を受ける利用者: その要望が実現することで利益を得る利用者はどのような人たちですか
  • 利用者間でファブリケータ―・チケットを共有することもできます
• 投稿をクリックしてください。それだけです!

2. 重点領域の投票: ウィキメディア財団のチームは新たな要望の妥当性と完成度を検討し、該当する場合、同じ根本的問題を持つ幾つかの要望を「重点領域」としてまとめます。重点領域は最初に財団が作成し、ボランティアは優先順位付けのために重点領域に投票したりコメントしたりすることができます。

その後ウィキメディア財団のチームは年次計画の一部として重点領域を採択します。これは以前の「コミュニティ要望調査」の大きな変更点です。以前、財団の幾つかのチームがコミュニティの要望を実現するために働いていたものの（参照：ダークモード、エディットチェック）、年間の一時期のみであり小規模でした。今後この要望リストはコミュニティの技術的なニーズを財団年次計画の中のプロダクト・技術に反映させるための中心的なパイプラインとして機能することになります。2024年-2025年会計年度から財団は少なくとも2つのチーム（コミュニティ・テックCommunity Techとモデレーター・ツーリングModerator tooling）が要望リストを検討し、採用し、重点領域に取り組むことに責任を持ちます。重点領域に対するコミュニティのフィードバックを評価する過程で、今年度の重点領域として採用するチームが増えるかもしれません。2025年-2026年会計年度までにより多くの要望が年次計画に反映されると予想していますが、すべての要望が重点領域に組み込まれるわけではないこと、財団がすべての要望や重点領域を決めるわけではないことを念頭に置かなければなりません。

私たちは来るウィキマニアで最初の重点領域を紹介し、今後の重点領域について協力してくださるボランティアを募集します。

3. 技術的解決策の構築: 財団、提携団体、技術分野の関係者は、重点領域を採択し、新しいアイデアをさらに発展させ、構築するために、貢献者と協力を続けることができます。

コミュニティ要望リストは多世代にわたるウィキメディア運動を構築するために必須です。持続可能なソフトウェアを構築するために、私たちのプロダクトや技術を改善するための課題や機会について、ボランティアから意見を聞き、協力する必要があります。ウィキメディア運動の参加者であれば誰でも要望に関わることができ、ボランティア仲間やウィキメディア財団と協力してより良いソフトウェアを作ることができます。

コミュニティ要望リストを再開できることをとても嬉しく思っていますし、みなさんがどんな問題や機会を共有してくださるのか、とても待ち遠しいです。