ウィキペディア展覧会は、「ウィキペディアを読む人」「ウィキペディアを書く人」すべての人のための展覧会として、2022年から日本最大の図書情報教育分野のカンファレンス・図書館総合展に出展している、大規模なウィキペディアのアウトリーチ・プロジェクトです。
このプロジェクトは、筆者とほか数名のウィキペディアンが属する有志のグループ「edit Tango」がウィキメディア財団から受給する一般支援基金より出展費用を捻出し、その他の有志個人が誰でも出展料の負担なく参加できる「場」として1枠を設けているもので、2024年度は5月に東京都昭島市での地域フォーラム、6~7月のオンライン開催に続き、このたび9月に福岡県行橋市で地域フォーラムが開催されました。
(開会の挨拶をする行橋市市長の工藤政宏氏 / Asturio Cantabrio, CC BY 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
edit Tango参加イベント2024 / №10 福岡県行橋市 図書館総合展地域フォーラム in リブリオ行橋 ウィキペディア展覧会
図書館総合展2024フォーラムin行橋は、9月20日(金)の3つの講演と、探究ワークショップ、協賛企業や出展者のプレゼンとブース出展が行われます。行橋市の市政70周年を記念する事業の一環で、リブリオ行橋では本フォーラムを皮切りに様々な企画が9月22日までの3日間にかけて行われ、edit Tangoからは2名のウィキペディアンが「ウィキペディア展覧会」のグループ名でブースを出展し、Wikipedia編集の実演やエディタソンの開催相談、掲示によるウィキメディア運動やウィキペディア編集方法の紹介、チラシの配布、認知度アンケートなどの啓発活動を通して、ウィキメディア運動の普及に努めました。
(リブリオ行橋でのウィキペディア展覧会ブース出展 / 漱石の猫, CC BY 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
現代日本社会の地方に共通する大きな課題のひとつが、大都市圏への人口流出による過疎化です。とはいえ、行橋市の人口は約7万人と横ばいで、周辺地域に比べると過疎化は進行していない稀有な地域であるとフォーラムの冒頭で工藤政宏市長のおはなしにありました。
人口の安定した元気な地域であればウィキペディア編集者も少なからずいそうなものですが、実際はそう単純でもないようです。会場となった市立図書館のリブリオ行橋は開館してすでに5年となるにもかかわらず、ウィキぺディアの行橋市に関連する項目を読むと、図書館の開館情報をはじめまだまだ古い情報がそのまま残されて、行橋市のウィキペディアのアウトリーチが及んでいない地域と見受けられました。(この図書館に関する古い情報はこの日の朝、私たちの手によって修正されました。)
例えば、今回のイベント中に相談を受けた田川郷土研究会の会長夫妻によると、「軍人だった祖父のウィキペディア記事は経歴が途中までしか書いていなかったり、書かれている内容も不正確なところがあり、修正したいけれどどうしたらいいかわからない」といったおはなしがありました。
また、ある市役所職員の方は、「Wikipediaはだれでも編集できるとはいうけれど、実際に編集ボタンを押すのはためらってしまう」と話されていました。このフォーラムの翌日にはリブリオ行橋の主催でまちあるきイベントも予定されており、そこにWikipedia編集の機会を付け加えればすぐにでもウィキペディアタウンのイベントができそうな土壌がある印象を受けましたが、第一歩が踏み出されるまでにはもう少し腰を据えたアウトリーチが必要なのかもしれません。
5分間のプレゼンタイムでは、「この星にいる誰もが全人類の知の総和に自由にアクセスできる、そういう世界を思い浮かべてみてください」というジミー・ウェールズの言葉を導入に、ウィキメディア運動の理念とコミュニティ、ウィキペディアがインターネットで情報を得ることが多くの人にとって日常となっている社会に与えている影響と、私たちの活動について紹介しました。
(ウィキペディア展覧会のプレゼン / Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で)
ウィキペディア展覧会は、11月5日~7日にかけて神奈川県のパシフィコ横浜で開催される本展や、その後オンラインで開催されるフォーラムにも出展します。3日間で約3万人の来場者が見込まれる会場では、編集相談会のほかにウィキペディアストアのグッズ販売や、展示によるWikipediaや各地のエディタソン開催グループの紹介があり、中日の11月6日にはuser:Wadakuromanによる「ウィキメディアムーブメントの今」などの講演も予定されています。
ウィキメディアに関わり世間に広く伝えたいことがある人、取り組みたいアウトリーチ企画がある人は、どうぞ登壇者として立候補してください。
表舞台に立つのは躊躇われるけれど何か手伝いたいと考えてくださる方は、どうぞスタッフとして彼らをサポートしてください。
あるいは当日、ブースに立ち寄り、声を掛けてくれるだけでも、そのような人々をおおいに力づけることになるでしょう。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
〈ウィキペディア展覧会(図書館総合展)公式サイト〉
- 親ブース:ウィキペディア展覧会 | 図書館総合展 (libraryfair.jp)
- イベントページ①:ウィキメディア・ムーブメントの今 | 図書館総合展 (libraryfair.jp)
- イベントページ②:【募集中】ウィキペディア認知度アンケート&認知度クイズ | 図書館総合展 (libraryfair.jp)
- イベントページ③:ウィキペディア編集事例紹介・相談コーナー in リブリオ行橋 | 図書館総合展 (libraryfair.jp)
- イベントページ④:ウィキペディアストアの公式グッズなど、ブースで販売する関連商品の紹介(近日開設予定)
- イベントページ⑤:ウィキメディアの各コンテンツの紹介(近日開設予定)
- ウィキメディアンの皆さまへ:出展案内
- 【公式】ウィキペディア展覧会(図書館総合展2022-2024) (@Wikipediaten22) / X
- Facebookウィキペディア展覧会 2024 in 図書館総合展
プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディア展覧会 – Wikipedia とその下位ぺージ Category:ウィキペディア展覧会 – Wikipedia
(イベント当日、開館前のリブリオ行橋 / 漱石の猫, CC BY 4.0 ウィキメディア・コモンズ経由で)
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