稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。2024年9月、日本語版ウィキペディアに「ハッカローソン」という記事を立項したので、そのプロセスをまとめておきます。どなたかの役に立てば幸いです。
経緯
ある日、書店を物色していたところ、『ハッカソンのつくりかた』という書籍を発見。本書を目にした瞬間、私は「絶対に読まなくては」と感じました。というのも、私はウィキメディア・プロジェクトの編集イベント「エディタソン」をしばしば開催している人間だからです。エディタソンの誕生に間違いなく影響を与えているであろうハッカソンの歴史については、きちんと学んでおいて損はないでしょう。ということで即座に購入・通読。せっかくなので、本書に登場した何かをウィキペディアに反映しようと思い、適当に「ハッカローソン」をピックアップしました。ハッカローソンとは、株式会社ローソンが実施したハッカソンのことです。
なお、ハッカソンとは、本書では以下のように説明されています。参考までに共有します。
ハッカソンはいわゆる参加型のイベントです。参加者は提示された課題に対し、決められた時間内で、自分たちのスキルを使って解決することを目指します。数人でチームを組む場合もあれば、一人で進める場合もあります。ただ、共通して1つの特徴としてあげられるのは、ハッカソンを通して何らかの成果物(アウトプット)が得られることです。それに対し、コンテスト形式で順位をつけることもありますし、あくまでプロトタイプを製作する・成果をプレゼンすることをゴールとすることもあります。このあたりは、実は、ハッカソンによって異なります。それぞれ運営する側の考えや、そもそもの目的によるところです。
--大内孝子『ハッカソンの作り方』ビー・エヌ・エヌ新社、2015年、10ページ。
調査・編集
まずは上掲書における、ハッカローソンに関する記述を再読しました。その後、購読している日本経済新聞の電子版で「ハッカローソン」と検索。記事が1件ヒットしました。その後、グーグルで「ハッカローソン」と検索。幸い、ニュース記事がいくつかヒットしました。
これにより、計6つの出典を確保できました。また、これらの記事を読みながら、ウィキペディア記事の構成(「内容」と「評価」の二部構成)も頭に浮かんだので、これ以上の調査は行わずにサクッと書き上げることにしました。昔の自分だったら、この後もグーグルブックスや国立国会図書館デジタルコレクション、新聞アーカイブや Web OYA-bunko などを活用して徹底的に調査していたところですが、今回は「百科事典の記事として明らかな不足はないし、この状態で出していいだろう」と判断し公開しました。最低限のクオリティが担保されていれば、気分転換がてら気楽に立項できるのがウィキペディアの魅力ですね。
なお、執筆にあたって少し苦労したのは、ハッカローソンという言葉の定義に微妙に揺れがあったことです。具体的には、「ローソンが2013年8月19日に開催したアイデアソンと、2013年8月24日と25日に開催したハッカソンの総称」とする資料と、24日と25日のハッカソンのみを「ハッカローソン」として紹介している資料とが混在していたのです。こちらについては、前者を定義文に採用しつつ、注釈で補足しました。
まとめ
日本語版ウィキペディアに「ハッカローソン」という記事を立項した過程についてまとめました。調査、編集の詳細よりも、ウィキペディア編集のモチベーションや、編集のお気楽さについて書いた部分が多い記事にはなってしまいましたが、何かしらの役に立てば幸いです。
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