稲門ウィキペディアン会のウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。本稿では、ウィキメディア・プロジェクトのゲーミフィケーションについて友人と交わした雑談を紹介します。
ゲーミフィケーション
「ウィキメディア・プロジェクトはゲーミフィケーションが必要だ」という意見、すなわちゲームのような楽しいデザインや操作性をウィキメディア・プロジェクトに導入して、編集者の拡大を図るべきだという主張はしばしば目にします。例えば、2024年8月にポーランドで開催された国際会議「ウィキマニア」でも、ゲーミフィケーションに関するプレゼンテーションが行われました。
そもそもゲームの楽しさがわからない
私はほとんどゲームを嗜まないウィキメディアンです。より正確に言えば、今まで遊んだどのゲームソフトよりも、ウィキメディア・プロジェクトの編集の方が遥かに楽しいと感じている人間です。
そのため、ウィキメディア・プロジェクトのゲーミフィケーションの是非について、私はあまりよくわかりません。強烈に反対しているというわけではなく、そもそも「ゲームは楽しいものだ」という感覚がほとんどないのです。
友人に聞いてみた
そこで、この件について友人の意見を聞いてみることにしました。この友人はウィキペディアの編集経験があるほか、ゲームもそれなりに楽しむ人です。
先述の議論を大まかに紹介したのち、「一体どうするべきなんだろうねえ」というきわめて大雑把な質問をしたところ、見事な回答が返ってきました。
その回答は「初心者がウィキペディアを継続しにくい理由は、ゲームみたいな判定制度がないからじゃない?」というもの。いわく「ゲームでは基本的に、プレイヤーの行動について『クリア』や『アウト』などの明確な判定が下されるけど、ウィキペディアってそういうシステムじゃないでしょ?実際、私が初めてウィキペディアの編集ボタンを押した時は『本当にこれでいいの?』と不安になったよ」とのこと。
感動
鮮やかかつ想定外の回答が瞬時に返ってきたので、感動のあまりしばらく言葉を失いました。
ゲーム初心者である私が、ゲームの特徴として「デザイン」や「操作性」しか思い浮かべられなかった一方、友人は「判定」という全く異なる要素を提示した上で、ウィキペディアに対する的確な分析を行いました。自分の視野の狭さを痛感しつつ、新しいことを知るためには他者との対話が必要なのだなあと再認識した次第です。
まとめ
本稿では、ウィキメディア・プロジェクトのゲーミフィケーションについて、友人と交わした雑談を紹介しました。どなたかのお役に立てば幸いです。
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