2024年11月3日(日)、神奈川県横浜市で開催された「Wikipediaブンガク12安部公房」に参加しました。
日本における「ウィキペディアタウン」
2013年から、まち(タウン)を題材としてWikipedia編集に取り組む市民参加型ワークショップである「ウィキペディアタウン」が日本各地で開催されています。
図書館が所蔵する郷土資料や司書のレファレンススキルが活きるイベントであることから、2017年にはLibrary of the Year 2017で優秀賞を受賞しました。受賞の際の短評として「地域情報資源を活用した公共情報資産の共創活動」が挙げられています。地域を題材とするウィキペディアタウンの派生形として、文学(ブンガク)を題材とするイベントとしてWikipediaブンガク実行委員会によって開催されているのが「Wikipediaブンガク」です。
「安部公房展」の鑑賞とWikipedia編集会
午前中には神奈川近代文学館で特別展「安部公房展」を鑑賞しました。Wikipediaブンガクでは編集する記事が参加者にゆだねられており、今回は安部公房が関わった人物や地域、執筆した作品や手がけた企画など、様々なものが編集記事候補となります。
午後の会場は神奈川県立図書館4階にある多目的スペースです。実行委員会が準備した数百冊の文献などが並べられていました。実行委員会メンバーで講師の田子環さんからWikipediaに関する講習を受けた後、参加者全員が編集したい題材を申告して編集作業に入りました。
既存記事「安部公房」を数人で編集するグループもあれば、熟練ウィキペディアンと初編集者が協力して「モナミ (東中野)」を新規作成するグループ、単独で「タデウシュ・カントル」を新規作成する方、北海道からの遠隔参加で「旭川市立近文第一小学校」を新規作成する方など、参加の方法は様々でした。
神奈川県立図書館の司書がイベントのために待機してくださっているため、実行委員会が想定していない題材を編集する場合でも、その場で司書にレファレンスを行うことができます。また、熟練ウィキペディアンが多数参加しているほか、実行委員会のメンバーも初編集者を手厚くフォローしているため、初編集者が参加しやすいイベントとなっていました。
日本各地への広まりへの期待
日本の近代文学についてはWikipedia日本語版内に良質な記事も多いのですが、現代文学や英米文学を中心とする海外文学については発展途上であるように思えます。
著作家や文学作品については、書籍・雑誌記事・学術論文など様々な形で膨大な量の文献が蓄積されているため、Wikipediaと文学はとても親和性が高いといえます。横浜市以外でもWikipediaブンガクに類する企画が広がることを期待しています。
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