ウィキメディア・ウクライナ協会では毎年、ウクライナのコミュニティのために年次ウィキ会議を開催しています。今年は10月と11月初旬に2つの都市とオンラインで開催し、過去最高の120人が参加しました。
ロシアによるウクライナへの戦争が続いているため、私たちは3つの小規模な会議を1つにまとめ、多くの人が参加できるようにしました。ここでは私たちの最大のイベントの概要をお伝えします。
形式: 3つの会議を1つに
2021年以来、ウィキメディア・ウクライナ協会は年次ウィキ会議をいくつかのイベントに分割し、オンラインとオフラインで開催してきました。それは当初はパンデミックによる規制のためでしたが、現在は進行中のロシアによるウクライナへの侵攻のためです。
ロシアによるウクライナへの戦争により、何百万人ものウクライナ人が国外にいるか、あるいはウクライナ国内を旅行できずにいます。従軍している人たちはオンラインなら参加できても、休暇を取っての直接参加はできません。しかしながら、私たちは誰でもが参加できる会議を開催したいと考えました。
本当にハイブリッドなイベントでも、オンラインの参加者が満足できる体験をするのは難しく、費用もかかります(注:オフラインイベントをYouTubeで中継するのは素晴らしく、私たちはやっていますが、まだオフラインイベントだけです)。その解決策として、いくつかのオンラインのみのイベントを、複数の週末にそれぞれのプログラムで実施する事にしました。
2024年には、次の3つのイベントでウィキ会議を構成しました。
- 10月19日-20日にオンライン会議
- 10月26日-27日にキーウでメインのオフライン会議
- 11月3日にハルキウで小規模の会議
オンラインイベントとキーウでの会議には、それぞれ60人以上が参加し、ハルキウでの会合には25人が参加しました。何人かは2つないし3つのイベントに参加していますが、全体では少なくとも124人がユニーク参加者でした(オンライン参加者の全ては把握できないので、これは過小な数字の可能性が高いです)。
オンライン会議: 2日間で60人以上が参加
オンライン会議は10月19日と20日に開催されました。会議では21のセッションが行われ、海外からの招待講演者による6つのセッションも含まれており、主催チームメンバーはこれを冗談で、私たちの小さな「家でのウィキマニア」と言いました。
参加者はプログラムを高く評価し、アンケートによると国際的プログラムは特に人気がありました―ウィキメディア財団のAsaf Bartovとウィキメディア・ポーランド協会のNatalia Ćwikによる、AIとウィキメディアに関する2つのセッションが特にそうです。その他の注目セッションには、戦争中のウクライナのコミュニティに関する一連のセッション、対話型の歓迎セッション、ウィキメディア・ウクライナ協会の活動レビューなどがありました。
- プログラム英語版はこちら
- いかにオンライン会議を魅力的なものにし、Zoom疲れを解消するか?これは私たちにとって大きな問題で、これについては別のDiff記事に投稿したいと考えています。
キーウ会議: ウクライナ全体から60人以上が参加
1週間後にはウクライナの首都キーウで、63人が集まりました。これはウクライナ全土および海外からの人々が参加した、今年最大のオフラインイベントでした。
2日間のイベントには、ウィキペディア教育プログラムなどの伝統的トピックス、国際的ウィキ運動のニュースと傾向、実践的ワークショップやプロジェクトの最新情報がありました。私たちはこのほかに新機軸を採用し―「ウィキペディア20」表彰式、これは新設された賞で、20年以上にわたるウクライナ語版ウィキペディアに貢献した人々を讃えるものです。
このイベントはオフライン・ファーストでの開催でしたが、YouTubeで高精度のオンライン配信をし、多くの人々がヴァーチャルで参加しました。
- ウィキメディア・コモンズにあるキーウ・イベントの写真
- 「ウィキペディア20」賞の詳細 (ウクライナ語)
ハルキウ会議: 防空壕での25人の会合
ロシア国境に近くロシアからの攻撃の危険に常にさらされているにも関わらず、ウクライナ第二の都市ハルキウには活発なウィキメディアコミュニティがあります。11月最初の日曜日には、ハルキウおよび周辺の地域から、人々が防空壕での丸1日の会議に集まりました。
参加者は、 昨年ボゴドゥホフで開かれた 高校生のためのウィキ学校の経験から、若者をウィキペディアに参加させるアイデアまで、たくさんのプログラムを楽しみました。
ハルキウのイベント主催者の言葉によれば、 ハルキウでのウィキ会議2024は、常時安全上の脅威下にある最前線の街や地域における、コミュニティの発展の可能性を示す事ができました。
- ハルキウ・イベントの詳細はこちら (ウクライナ語)
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