稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。2024年11月28日、リンクト・オープンデータのコンテスト「LODチャレンジ2024」で「LODプロモーション賞」を受賞したので、その流れをまとめます。
経緯
2024年3月にウィキメディア・ドイツのオフィスを訪問して職員の Alan Ang さんと話して以来、私はウィキデータおよびリンクト・オープンデータに関心を抱くようになりました。月日は流れて2024年10月、X (Twitter) を眺めていたら、LODチャレンジなるコンテストを発見。「なかなか面白そうだし、何か作って参加してみるか」と思ったのも束の間、締め切りはなんと翌日だったので、数ヶ月前に執筆したブログ記事「日本のヴァイオリニストの師弟関係をグラフ化するためにウィキデータを整備する」を急いで提出しました。
受賞
「LODプロモーション賞」を受賞したというメールが届いたのは、2024年11月のこと。まさか自分のような素人が受賞するとは思っていなかったので驚きでした。11月28日には公式ウェブサイトで受賞結果が発表され、色々な方からお祝いの言葉をいただきました。
授賞式
2024年12月22日には、国立情報学研究所で「LODチャレンジ2024授賞式シンポジウム」が開催される予定です。無料かつハイブリッド開催なので、ご興味のある方はぜひ。私も自分の作品等についてスピーチする予定です。
感想
以下、雑多に感想を述べます。
まず「外部のハッカソンで、ウィキメディアンとして何かしらの結果を出せてよかったな」と思いました。今までウィキメディアに関心がなかったエンジニアやGLAM関係者が、ウィキメディア・プロジェクトの編集を始めたり、イベントを開催するきっかけとなれば幸いです。なお、LODチャレンジではこれまでもウィキデータ関連の作品が数多く受賞していますが、そこからウィキデータのエディタソンや編集プロジェクト等に発展した事例は寡聞にして知りません。単なる「ウィキデータの利用者」ではなく「ウィキデータの編集者」として、今後のLODコミュニティとウィキメディア・コミュニティの協働を促進できたらなと思います。
また、日本の「ウィキペディアン」に、ウィキデータの存在を知ってもらうきっかけになればいいなとも思いました。幸いにも、私の住む日本では、ウィキペディアの編集イベントが盛んに行われています(私も大宅壮一文庫などで開催しています)。しかし、ウィキデータの編集イベントはほとんどなく、アクティブなウィキペディアンでも「ウィキデータのことはほとんど知らない」という人が珍しくありません。この状況は、今回の受賞を通じて多少改善されるといいなと思っています。仕組みを知るだけでも、相当ウィキメディア・プロジェクト観が変わるので。
まとめ
「LODプロモーション賞」を受賞した経緯や感想についてまとめました。ウィキデータに関心のある方は、ぜひ来年のLODチャレンジに参加してみてください。本稿がそのきっかけとなれば幸いです。
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