日韓友好ウィキメディア編集イベントのサポート記録

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稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。2024年11月9日、大阪府の大阪南港ATC、およびウィキメディア韓国協会のソウル事務所で開催された日韓友好ウィキメディア編集イベントを、特別アドバイザーという立場からサポートしたので、その模様をまとめます。

なお、このイベントについては、主催団体 Wikimedians of Japan User Group のメンバーであるVZP10224 さんが下記のレポートを作成しているので、こちらもあわせてご覧ください。

Wikimedians of Japan User Group のロゴ (Wikimedians of Japan User Group, CC BY-SA 4.0)
稲門ウィキペディアン会のロゴ。(Uraniwa, CC0)

経緯

韓国のウィキメディアンたちとは、2023年ごろから個人的に親交がありました。具体的には、シンガポールで開催されたウィキマニア2023、マレーシアで開催されたESEAP Conference 2024、ポーランドで開催されたウィキマニア2024などの国際会議で知り合い、その後もメッセージアプリなどで連絡をとっていました。

2024年秋、そのうちの1人が日本を観光で訪れたので、居酒屋で楽しくお酒を飲んでいたのですが、その際「Wikimedia Japan-Malaysia FriendshipWikimedia Japan-Türkiye Friendship のような2国間の友好プロジェクトを日韓で実施したい。また、できれば2023年秋に新設された Wikimedians of Japan User Group とも協力したい」という申し出があったので快諾。交流がある Wikimedians of Japan User Group のメンバーにも連絡を入れておきました。

その後、Wikimedia Korea とWikimedians of Japan User Group が協議し、11月いっぱいオンラインの編集キャンペーンを実施すること、そして11月9日に日韓双方で対面イベントを実施し、オンラインで交流することが決定しました。また、私は Wikimedians of Japan User Group のメンバーではありませんが、本イベントに特別アドバイザーという肩書きで協力することに。具体的な作業内容は、オンライン編集キャンペーンの審査、および大阪で開催される対面イベントのサポートです。なお、オンラインキャンペーンおよび編集イベントにあたっては、編集推奨記事のリストが作成されました。

上述のとおり、本稿では11月9日に開催されたイベントについてまとめます。

イベント当日

大阪で開催された編集イベントは、関西オープンフォーラムで開催されるイベントの一つとして実施されました。なお、関西オープンフォーラムでは、他にもオープンソースに関するイベントや展示が数多く展開されていました。私も空き時間にいくつか見物しましたが、大変勉強になりました。

ウィキメディアの編集イベントは午後にスタート。たまたま日本側の参加者は全員ウィキペディア経験者だったので、編集方法などの細かい解説はスキップして、各自が編集やおしゃべりに興じました。また、スタッフの Kizhiya さんが韓国関連の書籍を用意してくださったので、パラパラとめくりながら勉強しました。

私はウィキペディア経験者の参加者の皆さんと、少々マニアックなウィキメディアトークを楽しみつつ、記事リストにあげられていたハン・ガンの小説「少年が来る」の編集を進めました。また、新聞記者の方や、ウィキペディアを編集したことがないオープンソース・コミュニティの皆さんがしばしば会場を訪れていたので、ウィキペディアの仕組みについての簡単な解説などをしました。

解説業の傍ら、なんとかイベント中に記事を書き上げることができたので、見学に来た初心者の方々に「この下書きをこうやって標準空間に投稿すると、記事が公開されるんですよー」という実演を行いました。これはイベント講師を何度か務めた感覚ですが、方針を色々と説明するよりも、実際に記事をアップロードする様子を見せる方が、ウィキペディアおよびウィキペディア編集者たちへの親近感はますのかなと感じます。

イベント終盤に、韓国のウィキメディアンたちとオンラインで交流。成果発表を行いました。また、今後も交流を続けたいこと、Wikimedia Korea は東アジアのウィキメディアンたちを招いた国際会議を開きたいと思っていることなどが共有され、お開きとなりました。

大阪会場から韓国に繋いでいる様子 (koyhoge, CC BY 2.0)

本イベントは、さまざまな参加者にとって有意義なものになったのではと思います。Wikimedians of Japan User Group の皆さんにとっては、対面の編集イベントを開催する経験を積む機会になったと思いますし、参加してくださったウィキメディアンの皆さんにとっては、編集とおしゃべりを楽しみながら知識を得ることができる機会になったと思います。また、ふらっと会場を見学しに来てくださった初心者の皆さんにとっても、おそらく人生で出会ったことがないであろう「ウィキペディアを編集する人たち」の様子や、ウィキペディアの仕組みをごく簡単に知る機会になったのではと思います。

そして何より、日本と韓国のウィキメディアンたちの友好関係を築くきっかけになったのではないかと思います。このような草の根の国際交流活動は、国際平和のためにとても大事だと私は信じています。今後もできる範囲でサポートを続けたいと思います。

まとめ

2024年11月9日に開催された日韓友好ウィキメディア編集イベントを、アドバイザーの視点からまとめました。本稿がどなたかのお役に立てば幸いです。

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