稲門ウィキペディアン会の Eugene Ormandy です。2024年1月、東京都港区にある日本アセアンセンターを訪問してウィキペディア記事を編集しました。
経緯
2023年12月に、マレーシアをテーマとしたウィキペディア編集イベントを東京外国語大学で開催したのですが、ありがたいことに、このイベントは日本ASEAN友好50周年事業の1つに認定されました。それ以来、日本とASEANの関係について興味を抱くようになり、色々と情報を集め始めたのですが、ある日、東京都港区に「日本アセアンセンター」なる施設が存在することを発見。資料も色々と置いてあるようなので、早速訪問してきました。
訪問
JR浜松町駅にて下車。10分ほど歩いてセンターに到着しました。
センターには、ASEANに関する資料が置かれていました。また、広々とした机やウォーターサーバーもあり、作業スペースとしても快適でした。
早速、ウィキペディアの編集に活用できそうな資料を探します。今回は、編集するウィキペディア記事は事前に決めず、目の前の資料に応じて編集方針を決めることにしました。
最初に手に取ったのは『ASEANを知るための50章』という書籍。明石書店の「エリア・スタディーズ」シリーズの一つです。せっかく日本アセアンセンターに来たので、ASEANに関連する資料を使おうという魂胆でしたが、うまくいきませんでした。なぜなら、本書はASEANという巨大な組織の概略や、参加国の簡単な背景事情を記したものであり、ウィキペディア記事に必要となる具体性の高い情報はあまり記載されていなかったからです。
日本語版ウィキペディアの「東南アジア諸国連合」も既にそれなりの分量があったので、加筆の余地はそこまでないかなと感じました。また、このような大項目については、しっかり知識を身につけた人が(何を書かないかという判断まで含めて)編集するべきであり、あまり知識のない素人が概略書を参考文献として編集するのは危険だなとも思ったので、編集は控えました。
なお、言うまでもないことですが、ウィキペディアの参考文献として使えなかったからといって、本書の質が低いというわけではありません。むしろ、ASEANという巨大な組織の歴史を簡潔にまとめるという作業は、恐ろしく難易度の高いものであると思われます。
ということで「もっと個別具体のトピックを取り扱った書籍の方が使いやすいな」と思い手に取ったのが『新訂増補 東南アジアを知る事典』。ページをぱらぱらとめくりながら、該当するウィキペディア記事を閲覧して、加筆できそうな部分がないか探しました。結果として編集したのは、ウィキペディア記事「アリ・サストロアミジョヨ」。無出典記述に出典を追加しました。
なお、首相や国連大使を務めた人物を「個別具体のトピック」と言えるかは微妙ですが、少なくとも日本語版ウィキペディアにおいては出典があまりなかったので、淡々と加筆しました。
まとめ
日本アセアンセンターのウィキペディア活用記を、徒然なるままに作成してみました。「巨大なトピックの概要を記した資料よりも、個別具体のトピックの概要を記した資料の方が、ウィキペディアの参考文献としては使いやすい」という、ウィキペディアンあるあるを言語化できたのはよかったなと個人的には思っています。
関連資料
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