ウィキペディア編集イベントにどの立場から参加するか

本稿では、私がウィキペディア編集イベント(エディタソン)に参加する際に考えていることを紹介します。ウィキペディアに関心のある方のお役に立てば幸いです。

ウィキペディア編集イベントには様々な立場から参加できます。Wikimedia Commons [[File:Aarno-Raninen-Seija-Simola-1971.jpg]] CC0 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Aarno-Raninen-Seija-Simola-1971.jpg

どの立場から参加するか

ウィキペディア編集イベントに参加する際、私がまず考えるのは「どの立場から参加するか」です。具体的には、下記の4つのうち、どの立場をとるかを考えます。なお、後述しますが、同時に複数の立場から参加することも可能です。

立場1 プレイヤー

1つ目の立場は「プレイヤー」です。これは、ウィキペディアを編集したり、ウィキメディア・コモンズに資料をアップロードしたりする立場です。当日の司会進行や質問対応、企画立案などは担当しません。

例えば、2023年4月に開催された、第9回 Wikipediaブンガクには、主にプレイヤーとして参加しました。企画立案や当日の司会進行は Araisyohei さんと Mayonaka no Osanpo さんが行なったので、私はゆっくり資料を読んで、ウィキペディア記事を編集しました。なお、その模様は「よく知らない映画監督に関するウィキペディア記事を堂々と編集する方法 : 第9回ウィキペディアブンガク体験記」というブログ記事にまとめています。

また、2023年5月に北海道士別市で開催されたウィキペディアタウンにも、主にプレイヤーとして参加しました。このイベントにはオンラインで参加したので、司会進行にも、企画立案にも携わりませんでした。なお、参加の模様は「ウィキペディアタウン士別にオンラインで参加する」というブログ記事にまとめています。

立場2 ファシリテーター

2つ目の立場は「ファシリテーター」です。これは、イベントの司会進行をしたり、イベント中の質問に対応する立場で、プレイヤー的な執筆活動や、イベントの企画立案は担当しません。ファシリテーターはあくまで、当日その場の流れをスムーズにする立場と整理しています。

例えば、2022年11月に東京外国語大学で開催されたイベントには、主にファシリテーターとして参加し、質問対応を行いました。このイベントは、ウィキペディアンのさえぼーさん(シェイクスピア研究者の北村紗衣さん)が企画立案し、当日の司会進行も担当したのですが、初心者が何名かいらっしゃったため、質問対応やサポートなどは、さえぼーさんと私で手分けして行いました。なお、当日の模様は「東京外国語大学にて、マレーシアをテーマとしたウィキペディア編集イベントを開催」というブログ記事にまとめています。

立場3 プロデューサー

3つ目の立場は「プロデューサー」です。これは、イベントの企画立案や、会場との交渉を行う立場です。後述しますが、プロデューサーとしてイベントに携わるときは、ファシリテーター的な当日の司会進行も担当することがほとんどです。

プロデューサーとして携わったイベントは、大宅壮一文庫で開催した WikipediaOYA三康図書館で開催した WikipediaSanko があげられます。

立場4 ジャーナリスト

4つ目の立場は「ジャーナリスト」です。これは、イベントについての記録を作成する立場です。上記のとおり、私はほとんどのイベントで記録を作成しています。

複数の立場から参加する

先述のとおり、同時に複数の立場からイベントに参加することもできます。例えば「プレイヤー、ジャーナリストとして参加すること」や、「プレイヤー、ファシリテーター、プロデューサー、ジャーナリストとして参加すること」も可能です。

例えば、士別市のウィキペディアタウンや、第9回 Wikipediaブンガクは「プレイヤー、ジャーナリスト」として参加したイベントです。私は企画や司会進行は担当していませんが、ウィキペディア記事を加筆し、その模様をブログにまとめました。

なお、上記イベントの企画立案・司会進行を行なった Araisyohei さん、Mayonaka no osanpo さんも、別にイベントアーカイブを作成しています。私が作成したプレイヤー視点のレポートと、おふたりが作成したプロデューサー視点のレポートを比較するのも一興かもしれません。

東京外国語大学で開催されたイベントは「プレイヤー、ファシリテーター、ジャーナリスト」として参加しました。前章で紹介したとおり、イベント当日は質問対応を行い、その模様をブログ記事にまとめました。なお、当日はほとんど編集作業をしていませんが、事前にウィキペディア記事 [[タハン山]] の下書きを完成させておいたので、プレイヤーとしての成果を残すこともできました。

なお、ファシリテーターとしてイベントに参加する場合、当日にプレイヤーとして活動する余裕はほとんどないと想定しています。実際、東京国立博物館におけるイベントにファシリテーターとして参加した時は、「質問対応の合間に記事を編集しよう」と考えていましたが、結局は質問対応に追われ、編集時間はほぼ確保できませんでした。

「プレイヤー、ファシリテーター、プロデューサー、ジャーナリスト」全ての立場から参加するイベントもあります。具体的には、大宅壮一文庫における WikipediaOYA と、三康図書館における WikipediaSanko です。これらのイベントでは、ウィキペディア記事の編集、当日の司会進行、企画立案、イベントアーカイブの作成の全てを担当しました。なお、プロデューサーとしてイベントに携わる場合、私は上記全ての役割を果たすように努めています。

また、プロデューサーとして携わったイベントのアーカイブは、複数の観点から作成するようにしています。

まとめ

私がウィキペディア編集イベントに参加する際に考えていることをまとめました。アウトリーチに興味のあるウィキペディアンや、ウィキペディアとの提携に興味があるGLAMの皆様のお役に立てば幸いです。